-
聖書の27番目の書 ― ダニエル書『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
-
-
6 ダニエル書はどんな二つの部分から成っていますか。
6 ユダヤ人はダニエル書を,「預言者たち(または,預言書)」の中にではなく,「諸書」の中に入れてきました。一方,英訳聖書は,ギリシャ語セプトゥアギンタ訳とラテン語ウルガタ訳の目録順にしたがって,ダニエル書を大預言者と小預言者の間に置いています。実際のところ,この書は二つの部分から成っています。最初の部分は1章から6章までで,西暦前617年から538年まで,政府の職務に就いたダニエルとその友たちの数々の経験を時代順に述べています。(ダニエル 1:1,21)第2の部分は7章から12章までですが,記録者としてのダニエル自身が一人称で記しており,西暦前553年ごろf から536年ごろにかけてダニエル自身が見た幻や,み使いたちと会った時の模様を描写しています。(7:2,28; 8:2; 9:2; 12:5,7,8)この二つの部分が合わさって,調和の取れた1冊の書としてのダニエル書ができ上がっています。
-
-
聖書の27番目の書 ― ダニエル書『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
-
-
7 どのような出来事のためにダニエルとその友たちはバビロニアの政府の職務に就くことになりますか。
7 国務のための準備(1:1-21)。西暦前617年,ダニエルは捕らわれとなったユダヤ人の一人としてバビロンに行きます。エルサレムの神殿の神聖な器具も共に運ばれて来て,異教の神殿の宝物庫の中に入れられます。王宮での3年間の訓練のために選ばれたユダの王族の若者たちの中に,ダニエルとその3人のヘブライ人の友たちがいます。異教の王のごちそうやぶどう酒によって自分の身を汚すまいと心の中で決意したダニエルは,野菜食によって十日のあいだ試してくれるように願い出ます。その試みはダニエルとその友たちにとって好ましい結果となり,神は彼らに知識と知恵とを得させます。ネブカドネザルはその4人を任命し,助言者として自分の前に立たせます。1章の最後の節は,それ以前の部分が書かれた時よりもずっと後に書き添えられたものと思われますが,ダニエルが流刑となってからおよそ80年後の恐らく西暦前538年ごろにも宮廷での職務に就いていたことを示しています。
-