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なぜからだを殺す者をおそれないかものみの塔 1965 | 3月15日
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31 死に至るまで忠実な追随者は,復活したイエス・キリストから「いのちの冠」をどのように与えられますか。
31 19世紀前のこと,復活して昇天したイエス・キリストは,追随者に対し,人間の手にかかって不当に生命を奪われることがあっても,忠実ならば復活を受けることを保証しました。イエスは次のように言われました,「あなたの受けようとする苦しみを恐れてはならない。見よ,悪魔が,あなたがたのある者をためすために,獄に入れようとしている。あなたがたは十日の間(全部の期間),苦難にあうであろう。死に至るまで忠実であれ。そうすれば,いのちの冠を与えよう,……勝利を得る者は,第二の死によって滅ぼされることはない」。(黙示 2:10,11)敵は生命を奪うかも知れません。しかし復活後,「死と黄泉のかぎ」を持つイエス・キリストは,忠実な追随者に生命の賜物を与えます。どのようにしてですか。黄泉における死から復活させることによってです。このようにしてクリスチャンである魂はゲヘナで滅ぼされることなく,「第二の死」を受けません。―黙示 1:17,18; 21:8。
32,33 (イ)パウロはからだを殺す者をなぜ恐れませんでしたか。その事はパウロの伝道にどう影響しましたか。(ロ)パウロは獄中からテモテに手紙を送り,何を強くすすめましたか。この点において自分のことをどのように述べていますか。
32 使徒パウロは,復活に信仰を抱いた人のすぐれた例です。それゆえにパウロはからだを殺す人間を決して恐れなかったのです。彼は人を喜ばせようとはせず,キリストのために労しました。そして人間よりも神をおそれ,伝道をつづけました。(ガラテヤ 1:10)そのために悪魔の手によって何回も投獄されました。
33 からだを殺す者の手にかかって殺される少し前にパウロは獄中からテモテに手紙を送り,神のことばを断固として伝道しつづけることを励まし,同時に自分自身の忠実な手本に関連して,最後の報いに注意を喚起しています。「神のみまえと,生きている者と死んだ者とをさばくべきキリスト・イエスのみまえで,キリストの出現とその御国とを思い,おごそかに命じる。御言を宣べ伝えなさい。時が良くても悪くても,それを励み……自分の務を全うしなさい。わたしは戦いをりっぱに戦いぬき,走るべき行程を走りつくし,信仰を守りとおした。今や,義の冠がわたしを待っているばかりである。かの日には,公平な審判者である主が,それを授けて下さるであろう。わたしばかりでなく,主の出現を心から待ち望んでいたすべての人にも授けて下さるであろう」― テモテ後 4:1,2,5,7,8。
34 パウロはどのように「義の冠」を授けられますか。
34 義を行なったことの報いとして,パウロは「公平な審判者」である主イエス・キリストが御国に出現するとき,死からの復活を受けます。
35 西暦1914年以来,エホバの証者だけにどんなわざが与えられていますか。それはエホバの証者に対してどんな事柄が明らかにされ,知らされたためですか。
35 献身してバプテスマを受けたクリスチャンであり,エホバの証者である私たちは,西暦1914年以来,伝道のわざを与えられてきました。(マタイ 24:14; 25:31-34)設立された神の御国を全地に宣べ伝えるという比類のないわざを与えられているのは私たちだけです。この伝道のわざを行なっている宗教組織はほかにありません。御国奉仕の「タレント」と「ミナ」は,臆病で怠け者の,不忠実なしもべからとりあげられました。(マタイ 25:24-30。ルカ 19:20-26)神のことばの啓示を得た私たちには,御国の音信が与えられています。他の人々には悟ることのできない霊的な事柄が,私たちに明らかにされました。神のことばに秘められた事柄が,私たちに知らされました。では私たちは何をすべきですか。
36 ゆえに私たちはマタイ伝 10章26,27節に従って何をしますか。
36 この事です! 支配している王イエス・キリストが,世の人々に最初気づかれないように「暗やみで」私たちに語った事柄を「明るみで」言うことです。支配している王が,信任の厚い,忠実な弟子である私たちに対し,聖書によって「ささや」いた事を,広く知らせなければなりません。これらの事を,いわば「屋根の上で言いひろめ」ることが必要です。
37 いつわりの非難を受け,また死の刑罰をもっておどされるならば,私たちはどうしますか。なぜですか。
37 しかし人々から悪く言われ,また私たちのわざが不当な非難を受けるとき,どうすべきですか。「彼らを恐れるな」と王は命じています。彼らが私たちの音信に反対し,死の刑罰を以て臨むならば,どうしますか。彼らを恐れてはなりません。むしろ悪人をゲヘナで滅ぼし,神をおそれる忠実な人々を栄光の御国の領域によみがえすことのできる全能の神をおそれなさい。(マタイ 10:26-28)神をおそれ,最も偉大な伝道者イエス・キリストにならい,神の朽ちない栄光のために神への全き忠実をあらわして,伝道しつづけて下さい。復活の力を持つ神の国は永遠の勝利を得ます。
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1914年以来,世界政治はなぜ揺れ動いているかものみの塔 1965 | 3月15日
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1914年以来,世界政治はなぜ揺れ動いているか
(イ)1914年以来,国々はどうなっていますか。(ロ)歴史の観察者は,1914年について何を述べていますか。
きわめて強固な基礎の上に立っていた制度も倒れたり,あるいは没落を防ぐために方針や機構の変革を余儀なくされているのが,今日の世界の状態です。植民地支配は崩壊し,社会主義や共産主義の進出によって不安定な情勢がかもし出されています。歴史や世界情勢を綿密に観察する人は,とくに政治の面で世界の変わり目が1914年であったことを認めています。「現代の転機」「歴史の変わり目」「黄金時代から激動する時代へ」「歴史上,全く正常な年は1913年をもって終わった」「1914年以来,世界は破滅にむかってよろめいている」。このような言葉a が1914年に関して述べられてきました。
このように大きな変化の起きている原因を知ることができますか。その答えを知ることによって慰めが得られますか。
これらの言葉は慰めとはなりません。しかしこのような変化の原因,その意義と成りゆきについて,あらゆる慰めの神エホバはたしかな答えを与えられました。悲しむべき最後を遂げたユダの国の記録が今日まで伝えられているのは,単に歴史のためではありません。それは私たちが世界情勢を見て抱く疑問に正しい答えを得,たしかなものは何も無いこの時代に,信頼できる導きを得るためです。
(イ)ダビデ王の位はどうして「エホバの位」でしたか。(ロ)エルサレムにあったダビデ王の位は,世界を永遠に支配するものでしたか。
神と交渉のあったユダにまつわる出来事は,後に大規模に起こることを表わしていました。神はエルサレムにダビデの位を固くされ,それは「エホバの位」と呼ばれました。しかしそれは模型的なものに過ぎません。宇宙を治める主権者たる神の位が地にあるわけはないからです。ダビデよりもはるかに偉大な者が出て,世界を永遠に治めることを,それは示していました。きたるべき御国について預言者に語ったダビデ自身も,そのことを裏づけています。―詩 110:1,2。ルカ 20:41-44。使行 2:32-36。
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