-
聖書の49番目の書 ― エフェソス人への手紙『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
-
-
8 エフェソス人へのパウロの手紙はどんな点でたいへん時宜を得たものでしたか。
8 さて,パウロは,獄にいる間に,威容を誇るアルテミスの神殿のすぐ近くにあって,異教の崇拝者たちに囲まれていた,エフェソス会衆の直面する問題について考えます。パウロはここで,それらの油そそがれたクリスチャンに適切な例えを述べて,彼らはエホバがご自分の霊によって住まれる「聖なる神殿」となっていることを示していますが,確かに彼らはこの例えを必要としていました。(エフェソス 2:21)エフェソス人に明らかにされている,神の管理(神がご自分の家の事柄を処理する方法)に関する「神聖な奥義」は,彼らに大きな感動と慰めを与えるものだったに違いありません。神はその管理を実施し,イエス・キリストを通して一致と平和を回復させようとしておられたのです。(1:9,10)パウロは,キリストにおけるユダヤ人と異邦人の結合を強調します。彼は一致,一つになることを説き勧めます。こうしてわたしたちは今や,この書の目的,価値,またこの書が明らかに霊感を受けて記されたものであることを認識できます。
-
-
聖書の49番目の書 ― エフェソス人への手紙『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
-
-
9 神はご自分の愛をどのように満ちあふれさせておられますか。パウロは何を祈りますか。
9 キリストによって一致をもたらす神の目的(1:1-2:22)。使徒であるパウロはあいさつを送ります。神はその栄光ある過分のご親切のゆえにほめたたえられるべきです。そのご親切は,神が彼らを選んで,イエス・キリストと結びつくようにさせてくださったことと関係があります。彼らはこのイエス・キリストにより,その血を通して,贖いによる釈放を得ているのです。さらに,神はご自分の意志に関する神聖な奥義を知らせることによって,彼らに対してご自分の愛をあふれさせてくださいました。神は管理,つまり『すべてのものをキリストにおいて再び集めること』を意図しておられるからです。このキリストと結ばれた彼らは相続人にも指定されました。(1:10)そのことの事前のしるしとして,彼らは聖霊によって証印を押されています。彼らが自分たちの召された希望をしっかり確信するようになり,また神がキリストを復活させて,あらゆる政府と権威のはるか上に置き,彼を会衆に対してすべてのものの頭とした時に用いたのと同じ力を彼らに対しても用いてくださることを彼らが悟るようになることをパウロは祈ります。
-
-
聖書の49番目の書 ― エフェソス人への手紙『聖書全体は神の霊感を受けたもので,有益です』
-
-
19 エフェソス人への書は今日に至るまでどんな希望と励ましを与え続けていますか。
19 パウロはまた,「神聖な奥義」に関して,「管理……すべてのもの,天にあるもの[天の王国に入るよう選ばれた人たち]と地にあるもの[王国の領域の地上で生きる人たち]を,キリストにおいて再び集めること」についても語りました。こうして,平和と一致を回復する神の偉大な目的が再び前面に出されています。このことに関連してパウロはエフェソスの人々のために祈りました。それは,心の目を啓発されていた彼らが,神に召されて受けた自分たちの希望を十分把握し,「聖なる者たちのための相続財産として神が擁しておられる栄光ある富は何か」を知るようになるためです。これらの言葉は希望を抱く彼らを大いに強めたはずです。そして,エフェソスの人々にあてて記された霊感の手紙は,今日の会衆にとっても引き続き築き上げるものとなっています。それは,『わたしたちが神の与えてくださる満ち満ちたさまに余すところなく満たされる』ためです。―1:9-11,18; 3:19。
-