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「エホバとはどんな方」なので,すべての人が崇拝しなければならないのですかものみの塔 1975 | 4月15日
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4 不安や不満をいだく,自己中心的な一般の人類を,波立つ海にたとえ,ヨハネはことばをつづけます。「そして龍[すなわち火のような色の龍]は海の砂の上に立ち止まった。また,わたしは一匹の野獣が海から上って行くのを見た。十本の角と七つの頭があり,その角の上には十の王冠があったが,その頭には冒とく的な名があった。さて,わたしの見た野獣はひょうに似ていたが,その足はくまの足のようであり,その口はししの口のようであった。そして,龍は自分の力と座と大きな権威をその野獣に与えた。そしてわたしは,その頭の一つがほふられて死んだようになっているのを見た。しかし,その致命的な打ち傷はいえた。それで全地は感服してその野獣に従った。そして彼らは,野獣に権威を与えたことで龍を崇拝し,また,『だれがこの野獣に等しいだろうか。いったいだれがこれと戦いうるだろうか』と言って野獣を崇拝した。……あらゆる部族と民と国語と国民に対する権威がそれに与えられた。そして,地に住む者はみなそれを崇拝するであろう」― 啓示 13:1-8。
5,6 ダニエルが見た海から上がった野獣の夢に照らしてみるとき,奇妙な形の野獣は何を表わしていますか。
5 人々は,『だれが野獣のようであろうか』と尋ねました。それでわたしたちは聞きます。野獣は何を表わしていますか。この象徴的な野獣およびそれがどうなるかについてのヨハネの説明からみれば,野獣が何を表わすかに疑問の余地はありません。
6 「ヨハネへの啓示」の書の中で野獣が演ずる役割は,野獣が何を象徴するかを表わしています。それは全人類を支配する世界的政治体制です。その野獣が,ひょうのように見えながら熊の足を持ち,またししの口を持っているということは,世界的政治体制が,時代や場所を異にするさまざまな統治形態を通して自己を表現してきた事実とよく一致します。おそらくヨハネは,昔の預言者ダニエルが,ある預言的な夢の中で見たことについて考えるように導かれたことでしょう。それは,波立つ海の中から,最初にししに似た獣が,ついで熊のような獣が,そしてその後にひょうに似た獣が上がって来る夢でした。ダニエルはさらに,それらの獣が,超強大国のごとくに台頭して地を支配する政治支配権を表わすものであることを,はっきりと告げられました。(ダニエル 7:1-18)したがって,ヨハネが見た奇妙な形の野獣は,さまざまな統治形態を通して現われた世界的政治体制の象徴でした。
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「エホバとはどんな方」なので,すべての人が崇拝しなければならないのですかものみの塔 1975 | 4月15日
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7,8 (イ)象徴的な野獣を崇拝することは,同時にだれを崇拝することでもありますか。(ロ)国家崇拝は,何も崇拝しないと言う人々も考えてみなければならない事柄ですが,それはなぜですか。
7 ヨハネが霊感による幻の中で見たことをここで一つ残らず詳細に取り上げる必要はありません。わたしたちがここで注意を向けたい重要な事柄は,海から上がったこの「野獣」が世界じゅうの人々によって崇拝されたということです。その野獣は,征服することのできない神として扱われました。こうして,国家を神として崇拝することはヨハネの幻の中で描かれていましたが,それは同時に国家よりも高いあるものを崇拝することでもありました。それはだれでしたか。龍のような悪魔サタンです。というのは,サタンは権威と,力と,座もしくは統治の座を国家に与えるものとして描かれているからです。
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