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エホバの日は近いものみの塔 1998 | 5月1日
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エホバの日は近い
「年長者たちよ,これを聞け。この地に住むすべての者よ,耳を向けよ」― ヨエル 1:2。
1,2 ユダのどんな状況のゆえにエホバはヨエルに霊感を与えて強力な預言を語らせましたか。
「ああ,その日よ! エホバの日は近く,全能者による奪略のようにしてそれは来るのである」。何と劇的な発表でしょう。これは神が預言者ヨエルによって伝えた,ご自分の民に対する音信でした。
2 このヨエル 1章15節の言葉は,西暦前820年ごろと思われますが,ユダで記されました。当時,その地は波打つ緑の丘が美しく,果物や穀物が豊かに実り,牧草地も広く青々としていました。それでも,何かが非常に間違っていました。エルサレムとユダの地でバアル崇拝が盛んに行なわれ,民はこの偽りの神の前で酒に酔ってはどんちゃん騒ぎにふけっていたのです。(歴代第二 21:4-6,11と比較してください。)エホバはこうしたことすべてが続くのを許されるのでしょうか。
3 エホバはどんなことについて警告しましたか。諸国民は何の準備をすべきですか。
3 その答えについて,聖書のヨエル書は何の疑問も残していません。エホバ神はご自分の主権を立証し,聖なるみ名を神聖なものとされます。エホバの大いなる日は近づいていました。そのとき神は,「エホシャファトの低地平原」にいる諸国民すべてに裁きを執行されるのです。(ヨエル 3:12)彼らには全能者エホバとの戦争の準備をさせておきましょう。しかし,わたしたちもエホバの大いなる日に直面しています。ですから,現代と過去に関するヨエルの預言の言葉を詳しく調べましょう。
昆虫の侵入
4 ヨエルの警告した出来事はどれほど大いなるものとなることになっていましたか。
4 エホバは預言者を通してこう言われます。「年長者たちよ,これを聞け。この地に住むすべての者よ,耳を向けよ。このような事があなた方の日に,いや,あなた方の父祖たちの日にさえ,かつて起きただろうか。それについてあなた方の子らに語り告げよ。あなた方の子らはその子らに,その子らはまた次の世代に語り告げよ」。(ヨエル 1:2,3)年配の人,そして民すべてが,自分の生涯中にも父祖たちの日にも起きたことがないような事を予期できました。それはあまりにも衝撃的な事なので,3世代にわたって語りつがれるのです。その注目すべき出来事とは何でしたか。それを知るために,自分がヨエルの時代にいるところを想像してみましょう。
5,6 (イ)ヨエルの預言している災いがどのようなものかを説明してください。(ロ)その災いの源はだれですか。
5 聴いてください! ヨエルは,遠くから響いてくるとどろきを耳にします。空が暗くなり,その不気味な音は,闇が頭上に広がるにつれて大きくなります。そのあと,煙のような雲が下りてきます。それは無数の昆虫から成る軍隊です。そして,何という荒廃を引き起こすのでしょう! さて今度は,ヨエル 1章4節について考えてください。侵入してきた昆虫は,羽のある移住いなごだけではありません。そうです,それだけではないのです! 飢えた,はい回る翼のないいなごの群れも到来しました。風に乗って,突然,いなごがやって来たのです。その音は兵車の響きのようです。(ヨエル 2:5)無数のいなごはその旺盛な食欲のゆえに,楽園とも言える場所をあっと言う間に荒野にしてしまいます。
6 ガやチョウの幼虫である毛虫も前進しています。飢えた毛虫の大群は植物の葉を少しずつ,1枚ずつ刈り取るように食べてゆき,ついに青葉はほとんどなくなってしまいます。毛虫が残したものの多くは,いなごが食べます。また,いなごが残したものは,素早く動き回るごきぶりが確実に食べ尽くします。しかし,次の点に注目してください。ヨエル 2章11節で神は,いなごの軍隊がご自分の「軍勢」であることを明らかにしておられます。そうです,地を荒廃させ,深刻な飢きんを引き起こすいなごの災いの源は神なのです。それはいつのことでしょうか。「エホバの日」の直前です。
「大酒にふける者たちよ,目を覚ま(せ)」!
7 (イ)ユダの宗教指導者たちはどんな状態にありましたか。(ロ)今日のキリスト教世界の指導者たちはどのように,ユダの宗教指導者たちと似た状態にありますか。
7 次のような命令が発せられる時,評判の悪い群衆,すなわちユダの宗教指導者たちが選り出されます。「大酒にふける者たちよ,目を覚まして泣き悲しめ。ぶどう酒にふける者たちすべてよ,甘いぶどう酒のゆえに泣きわめけ。それはあなた方の口から断たれたからである」。(ヨエル 1:5)そうです,ユダの霊的な意味で大酒にふける者たちは,『目を覚ます』よう,つまり酔いを醒ますよう告げられたのです。しかし,これは単なる古代の歴史にすぎない,と考えてはなりません。まさに今,エホバの大いなる日を前にして,キリスト教世界の僧職者は,比喩的な意味で甘いぶどう酒に満たされているため,至高者からのその命令にほとんど気づいていません。畏怖の念を抱かせる,エホバの大いなる日が到来して霊的泥酔状態から醒めるとき,彼らはどれほど驚くことでしょう!
8,9 (イ)ヨエルはいなごとその災いの影響をどのように描写していますか。(ロ)今日,いなごはだれを表わしていますか。
8 いなごのその大いなる軍隊を見てください!「わたしの土地に上って来た国民がいる……。それは強大で,数知れない。その歯はライオンの歯であり,それにはライオンのあご骨がある。それはわたしのぶどうの木を驚きの的とし,わたしのいちじくの木をただの切り株とした。それを全くむき出しにして投げ捨てた。その小枝は白くなった。泣き叫べ。処女が粗布を身に巻いて,自分の若いうちの所有者に関して泣き叫ぶかのように」― ヨエル 1:6-8。
9 これは単に,ユダに侵入するいなごの「国民」,つまりいなごの大群に関する預言にすぎないのでしょうか。いいえ,これにはそれ以上の意味があります。ヨエル 1章6節と啓示 9章7節の両方で,神の民がいなごとして表わされています。現代のいなごの軍隊は,エホバの油そそがれたいなごの軍勢にほかなりません。これには今,約560万人を数えるイエスの「ほかの羊」が加わっています。(ヨハネ 10:16)あなたは,エホバの崇拝者から成るこの大きな群集の中にいることをうれしく思っておられるのではないでしょうか。
10 ユダに臨むいなごの災いの影響はどのようなものですか。
10 ヨエル 1章9節から12節には,いなごの災いの影響について記されています。次々と襲ってくる昆虫の大群のために地は完全に荒廃します。穀物やぶどう酒や油が欠乏して,不忠実な祭司たちは務めを果たしつづけることができません。地面でさえ喪に服します。いなごに穀物を奪い取られ,果物の木から実がなくなってしまったからです。ぶどうの木が壊滅したので,それらバアルを崇拝する霊的な酔いどれでもあった大酒飲みたちのためのぶどう酒はもうありません。
『祭司たちよ,胸をたたけ』
11,12 (イ)今日だれが,自分たちこそ神の祭司であると主張していますか。(ロ)キリスト教世界の宗教指導者たちは,現代のいなごの災いにどのように影響されていますか。
11 それら正道からそれた祭司たちに対する神の音信に耳を傾けてください。「祭司たちよ,帯を引き締めて胸をたたけ。祭壇に奉仕する者たちよ,泣きわめけ」。(ヨエル 1:13)ヨエルの預言の最初の成就においては,レビの家系の祭司たちが祭壇で仕えていました。しかし,最終的な成就においてはどうでしょうか。今日,キリスト教世界の僧職者は,神の祭壇で仕える権威を与えられていると思い込んでおり,自分たちこそ神に奉仕する者,神の「祭司」であると主張してきました。しかし,神の現代のいなごが前進している今,何が起きているでしょうか。
12 キリスト教世界の「祭司たち」は,エホバの民が活動しているのを見たり,神の裁きに関する警告を聞いたりして,取り乱します。王国の音信の破壊的な影響にいら立ち,激怒して胸をたたきます。また彼らは,羊が自分の群れから抜け出してゆくとき,泣きわめきます。牧草地の草を食い尽くされた彼らには,収入源がなくなったことを嘆きながら,粗布をまとって夜を過ごしてもらいましょう。間もなく彼らは仕事も失うでしょう! 実のところ,神は彼らに,彼らの終わりが近いゆえに一晩中嘆き悲しむようにと告げておられるのです。
13 キリスト教世界は全体として,エホバの警告に好意的にこたえ応じるでしょうか。
13 ヨエル 1章14節によれば,彼らには,悔い改めて「エホバに助けを」叫び求める以外に望みはありません。わたしたちは,キリスト教世界の僧職者階級全体がエホバに転じることを期待できるでしょうか。もちろん,できません! 彼らのうちの個々の人はエホバの警告にこたえ応じるかもしれません。しかし,一つの級としてのそれら宗教指導者とその教区民が霊的な飢えに苦しむ状態はこれからも続きます。預言者アモスはこう予告しました。「『見よ,その日が来る』と,主権者なる主エホバはお告げになる。『そしてわたしはその地に飢きんを送り込む。パンの飢きんではない。水の渇きでもない。エホバの言葉を聞くことの飢きんである」。(アモス 8:11)それとは対照的に,わたしたちは,神が「忠実で思慮深い奴隷」を通し愛をこめて設けてくださる豊かな霊的宴にどれほど感謝していることでしょう!―マタイ 24:45-47。
14 いなごの災いは何の前触れですか。
14 いなごの災いは,昔,ある事柄の前触れでしたが,それは今も同じです。何の前触れでしょうか。ヨエルはそれを率直に告げ,「ああ,その日よ! エホバの日は近く,全能者による奪略のようにしてそれは来るのである」と述べています。(ヨエル 1:15)今日,神のいなごの軍隊が全世界を襲撃していることは,畏怖の念を抱かせる,エホバの大いなる日が近いことをはっきり示しています。確かに,心の正しい人は皆,邪悪な者に神の裁きが執行され,エホバが宇宙主権者として勝利を収める,その特別な清算の日を切に待ち望んでいます。
15 神の警告に留意する人たちは,地の悲しむべき状態を見て,どのように反応しますか。
15 ヨエル 1章16節から20節が示しているように,古代のユダでは食物が断たれました。楽しさも断たれました。倉は荒廃させられ,納屋は打ち壊されなければなりませんでした。草木の茂った土地をいなごが丸裸にしたため放牧地がなくなり,牛は混乱してさまよい,羊の群れは死に絶えました。何という災いでしょう! そのような状況の中で,ヨエルはどうなったでしょうか。19節によると,ヨエルは,「エホバよ,わたしはあなたに呼びかけます」と言いました。今日も,多くの人が神の警告に留意し,信仰を抱いてエホバ神に向かって叫んでいます。
「エホバの日が来る」
16 『地に住む者たち』はなぜ動揺するべきですか。
16 神からのこの命令を聴いてください。「シオンで角笛を吹き鳴らせ。わたしの聖なる山で戦いの叫びを上げよ。この地に住むすべての者よ,動揺せよ」。(ヨエル 2:1)そのように反応するのはなぜですか。預言はこう答えています。「エホバの日が来るから,それが近いからである。それは闇と陰うつの日,雲と濃い暗闇の日であり,山々の上に広がった明け方の光のようである」。(ヨエル 2:1,2)エホバの大いなる日には真の緊急感が伴っています。
17 ユダの地とその民はいなごの災いによってどのように影響されましたか。
17 無情ないなごがエデンの園さながらの場所を荒れ果てた所に変えていったとき,この預言者の幻がどんな影響を及ぼしたか,想像してください。いなごの軍隊についての描写に耳を傾けましょう。「その姿は馬の姿に似ており,その走って行く様は乗用馬のようである。山々の頂を行く兵車のような響きを立てて彼らは跳び回る。刈り株をむさぼり食って燃える火のような音を立てながら。それは強大な民のようであり,戦闘隊列を組んでいる。それのためにもろもろの民は激しい痛みを覚える。すべての顔は,必ずや興奮のほてりを示しているであろう」。(ヨエル 2:4-6)ヨエルの時代にいなごの災いが生じていた時,バアル崇拝者の苦もんはつのり,彼らの顔には不安が色濃く表われました。
18,19 今日の神の民の活動はどのようにいなごの災いに似ていますか。
18 飽くことなく整然と進むいなごを止めるものは何もありませんでした。いなごは「強力な者」のように走り,城壁をさえよじ登りました。『飛び来る物の中で倒れる者がいても,他の者は進路からそれませんでした』。(ヨエル 2:7,8)比喩的いなごから成る現代の神の軍隊に関する何と生き生きとした預言的描写でしょう! 今日でも,エホバのいなごの軍隊はまっすぐ進みつづけています。反対という「城壁」も,彼らを阻むことはありません。彼らは神への忠誠を曲げず,死に直面することもいといません。ドイツのナチ政権下でヒトラー万歳と言うことを拒否して,『飛び来る物の中で倒れた』幾千人もの証人たちはその一例です。
19 現代における神のいなごの軍隊は,キリスト教世界という「都市」で徹底的な証しを行なってきました。(ヨエル 2:9)世界中でそうしてきました。彼らは今なおあらゆる障害を乗り越えて,数多くの家々に入り,街路で人々に近づき,電話で話しかけるなど,何らかの方法で接触し,エホバの音信を宣明しています。実際,これまでに幾十億冊もの聖書関係の出版物を配布し,これからも ― 公にも家から家にも ― 絶え間なく宣教を続け,より一層多くの出版物を配布してゆくことでしょう。―使徒 20:20,21。
20 現代のいなごを支援している方はだれですか。それはどんな結果をもたらしていますか。
20 ヨエル 2章10節が示すとおり,おびただしいいなごの大群は,太陽や月や星を隠してしまう雲に似ています。(イザヤ 60:8と比較してください。)この軍勢の背後にいる方について疑問があるでしょうか。その昆虫の羽音のとどろきよりも上から,ヨエル 2章11節のこの言葉が聞こえます。「エホバは必ずその軍勢の前に声を上げる。その陣営には非常に多くの者がいるからである。その言葉を遂行する者は強大なのである。エホバの日は大いなる日であり,大いに畏怖の念を抱かせるものなのである。だれかその下でこらえ得ようか」。そうです,エホバ神は今 ― ご自分の大いなる日が来る前に ― いなごの軍勢を送り出しておられるのです。
『エホバは遅いのではない』
21 『エホバの日が盗人のように来る』と,どんな結果が生じますか。
21 ヨエルと同じように,使徒ペテロもエホバの大いなる日に言及しました。こう書いています。「エホバの日は盗人のように来ます。そのとき天は鋭い音とともに過ぎ去り,諸要素は極度に熱して溶解し,地とその中の業とはあらわにされるでしょう」。(ペテロ第二 3:10)悪魔サタンの影響のもとで,邪悪な政府という「天」は,「地」,すなわち神から疎外された人類を支配しています。(エフェソス 6:12。ヨハネ第一 5:19)この象徴的な天と地が,エホバの大いなる日に表わされる神の怒りの熱を切り抜けることはありません。それどころか,この天と地は,「神の約束によってわたしたちの待ち望んでいる新しい天と新しい地」に取って代わられます。「そこには義が宿ります」。―ペテロ第二 3:13。
22,23 (イ)エホバが憐れみ深くも辛抱しておられることに対して,わたしたちはどう反応すべきですか。(ロ)エホバの日が近いことに対してはどう反応すべきですか。
22 今日,気を散らすものや信仰の試練が非常に多いため,わたしたちは今の時代の緊急性を見失ってしまわないとも限りません。しかし,象徴的ないなごは絶えず前へ押し進み,多くの人が王国の音信にこたえ応じています。神がそのための時を許しておられるのですが,わたしたちは神の辛抱を遅さと取り違えるべきではありません。「エホバはご自分の約束に関し,ある人々が遅さについて考えるような意味で遅いのではありません。むしろ,ひとりも滅ぼされることなく,すべての者が悔い改めに至ることを望まれるので,あなた方に対して辛抱しておられるのです」― ペテロ第二 3:9。
23 エホバの大いなる日を待つわたしたちは,ペテロ第二 3章11,12節に記されている,ペテロのこの言葉を心に銘記しましょう。「これらのものはこうしてことごとく溶解するのですから,あなた方は,聖なる行状と敬虔な専心のうちに,エホバの日の臨在を待ち,それをしっかりと思いに留める者となるべきではありませんか。その日に天は燃えて溶解し,諸要素は極度に熱して溶けるのです」。こうした行状や専心には,終わりが来る前に王国の良いたよりを宣べ伝える業に一貫した意味深い仕方で加わって,エホバのいなごの軍隊と共に行動することが確かに含まれます。―マルコ 13:10。
24,25 (イ)エホバのいなごの軍隊の業に加わる特権にあなたはどうこたえ応じますか。(ロ)ヨエルはどんな意味深い質問を提起していますか。
24 神のいなごの軍隊は,エホバの大いなる,畏怖の念を抱かせる日が突如始まるまで,その業をやめません。この止めることのできないいなごの軍勢が存在していること自体,エホバの日が近いことの歴然たる証拠です。あなたは,エホバの大いなる,畏怖の念を抱かせる日の前に最後の攻撃を行なっている,神の油そそがれたいなごとその仲間たちの中で奉仕できることを,うれしく思っておられるのではないでしょうか。
25 エホバの日は何と大いなるものとなるのでしょう!「だれかその下でこらえ得ようか」という質問が提起されるのも不思議ではありません。(ヨエル 2:11)この質問や他の多くの点については,次の二つの記事の中で考察されます。
説明できますか
□ エホバがユダに昆虫の災いが臨むことを警告したのはなぜですか
□ ヨエルの預言の現代の成就において,エホバのいなごはだれですか
□ キリスト教世界の指導者たちはいなごの災いにどう反応していますか。彼らのうち一部の人々はどうすればその結末を免れることができますか
□ この20世紀に,いなごの災いはどれほど広範囲に及びましたか。それはいつまで続きますか
[9ページの写真]
昆虫の災いは,一層悪い事が起こる前触れであった
[クレジット]
葉を食い尽くされた木: FAO photo/G. Singh
[10ページの写真]
現代のいなごの災いの背後にはエホバ神がおられる
[8ページの写真のクレジット]
いなご: FAO photo/G. Tortoli; いなごの大群: FAO photo/Desert Locust Survey
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「安全に逃れる」のはだれですかものみの塔 1998 | 5月1日
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「安全に逃れる」のはだれですか
「エホバの名を呼び求める者はみな救われるであろう」― 使徒 2:21。
1 西暦33年のペンテコステが世界の歴史における要となる日であったのはなぜですか。
西暦33年のペンテコステは,世界の歴史における要となる日でした。なぜでしょうか。なぜなら,その日に新しい国民が生まれたからです。その国民は最初,それほど大きな国民ではありませんでした。エルサレムのある階上の部屋に集まっていたイエスの弟子たち120人にすぎなかったのです。しかし,当時存在していた諸国民のほとんどが忘れ去られた今日でも,その階上の部屋で生まれた国民は存在しています。この事実は,わたしたちすべてにとって極めて重要です。この国民こそ,人類の前で神の証人となるよう神が任命した国民だからです。
2 新しい国民が生まれたしるしとして,どんな奇跡的な出来事がありましたか。
2 その新しい国民が存在するようになった時,ヨエルの預言の言葉を成就する重要な出来事が起こりました。その出来事については,使徒 2章2節から4節にこう記されています。「突然,激しい風の吹きつけるような物音が天から起こり,彼らの座っている家全体を満たした。そして,さながら火のような舌が彼らに見えるようになってあちらこちらに配られ,彼ら各々の上に一つずつとどまり,彼らはみな聖霊に満たされ,霊が語らせるままに異なった国語で話し始めたのである」。こうして,それら120人の忠実な男女は一つの霊的な国民になりました。使徒パウロが後に「神のイスラエル」と呼んだ国民の最初の成員です。―ガラテア 6:16。
3 西暦33年のペンテコステに,ヨエルのどんな預言が成就しましたか。
3 『吹きつけた激しい風』について調べようと群衆が集まってきたので,使徒ペテロは彼らに,ヨエルの預言の一つが成就していることを説明しました。どの預言でしょうか。ヨエルの語ったことを聴いてください。「神は言われる,『……終わりの日に,わたしは自分の霊の幾らかをあらゆるたぐいの肉なる者の上に注ぎ出し,あなた方の息子
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