神の王国が地球を治めるのはいつか
イエスの弟子たちは神の王国がいつ統治を始めるのか知りたいと思っていました。それに対しイエスは,正確な時を知ることはできないと言いました。(使徒 1:6,7)しかしその少し前に,ある一連の出来事が同時に起きるのを見たら,「神の王国が近い」つまり,王国が間もなく世界を治める,と言っていました。(ルカ 21:31)
どんな一連の出来事が起きるか
イエスはこう言いました。「国民は国民に,王国は王国に敵対して立ち上がります。大きな地震があり,あちらこちらで食糧不足や流行病があります」。(ルカ 21:10,11)複数の線から成る指紋は1人の人を特定します。同じように,同時に起きるこれら複数の出来事は「神の王国が近い」ことを示すしるしとなります。これらの出来事は世界中で同時に起きているでしょうか。次の事実を考えましょう。
1. 戦争
1914年に人類史上かつてない規模の戦争が勃発しました! 歴史家は,初の世界大戦が起きたこの年は歴史上の転換点だと述べています。この戦争では,戦車,航空機搭載爆弾,機関銃,毒ガスなどの兵器が初めて大規模に使用されました。この戦争に続いて第2次世界大戦が起き,核兵器が初めて使用されました。1914年以来,世界各地で紛争が起きており,大勢の人が亡くなっています。
2. 地震
「ブリタニカ・アカデミック」(英語)によると,「甚大な被害」をもたらす地震が毎年およそ100回起きています。米国地質調査所の報告では「(1900年以来行われてきた)長期観測から,どの年も約16回の大地震が起きる」としています。地震が頻発していると感じるのは,より正確に検知できるようになったからにすぎないと考える人もいますが,現実問題として,世界中で起きている地震は前例のない規模で人々を苦しめ,たくさんの人命を奪っています。
3. 食糧不足
世界中で起きている食糧不足の主な原因は,戦争,汚職,経済破綻,不作,異常気象などです。国連の世界食糧計画「2018年度の報告」(英語)によると,「世界中の8億2100万人がおなかをすかせており,1億2400万人が飢餓状態に」あります。栄養失調によって毎年約310万人の子供が亡くなっています。2011年度においては子供の死因の約45%を占めました。
4. 病気や感染症
世界保健機関の資料はこう述べています。「21世紀になっても,伝染病は猛威を振るっている。コレラ,ペスト,黄熱などの古い病気が再び流行し,サーズ(SARS),流行性インフルエンザ,マーズ(MERS),エボラ,ジカなどの新しい病気が現れている」。最近では,新型コロナウイルス感染症が世界中で大流行しました。病気に対する理解が進んできたにもかかわらず,全ての病気を治療できるようにはなっていません。
5. 世界規模の伝道活動
イエスは別の出来事についてこう予告しました。「王国の良い知らせは,全ての国の人々が聞けるように世界中で伝えられます。それから終わりが来ます」。(マタイ 24:14)世界が悲惨な問題を抱える中で,800万人を超える,あらゆる国の人々が神の王国の良い知らせを広めています。240の国や地域で,1000以上の言語で伝えています。このような活動は歴史上前例がありません。
しるしから分かること
イエスが教えたしるしとなる出来事は,今日確かに起きています。このことに関心を持つべきなのはなぜですか。なぜならイエスは,「これらのことが起きているのを見たら,神の王国が近いことを知りなさい」と言ったからです。(ルカ 21:31)
イエスが教えたしるしと,聖書に基づく年代計算によって,神が天で王国を設立したのは1914年であることが分かります。a その時,神は自分の子イエス・キリストを王にしました。(詩編 2:2,4,6-9)間もなく神の王国は地球を治め,人間の支配を終わらせ,地上のパラダイスで人間が永遠に生きられるようにします。
近い将来,イエスが教えた次の祈りの言葉が実現します。「あなたの王国が来ますように。あなたの望まれることが,天と同じように地上でも行われますように」。(マタイ 6:10)とはいえ,1914年の設立以来,王国は何をしてきましたか。王国が全面的に人類を治める時,何を期待できますか。
a 1914年について詳しくは,エホバの証人が発行した「いつまでも幸せに暮らせます」という本のレッスン32をご覧ください。