18 私わたしは，この地ち上じょうで一いっ生しょう懸けん命めいに働はたらいて得えた全すべてを憎にくむようになった+。それを私わたしの後あとに現あらわれる人ひとのために残のこすことになるからだ+。 19 しかも，その人ひとが賢かしこい人ひとか愚おろかな人ひとか誰だれにも分わからない+。いずれにしてもその人ひとは，私わたしがこの地ち上じょうで知ち恵えと努ど力りょくを尽つくして得えた全すべてを手てにする。これもまたむなしい。

8 ある孤こ独どくな人ひとがいる。親したしい人ひとがおらず，息子むすこも兄きょう弟だいもいない。一いっ生しょう懸けん命めい働はたらき続つづけ，裕ゆう福ふくになっても満まん足ぞくしない+。その人ひとは自じ分ぶんにこう問とい掛かけるだろうか。「誰だれのために一いっ生しょう懸けん命めい働はたらき，良よいものを我が慢まんしているのだろう+」。これもまたむなしく，哀あわれな務つとめである+。

19 そして自じ分ぶんに言いおう。「おまえはたくさんの良よい物ものを何なん年ねん分ぶんも蓄たくわえることができた。楽らくにして，食たべて，飲のんで，楽たのしめ」』。 20 しかし神かみは言いいました。『無む分ふん別べつな者ものよ，今こん夜や，あなたの命いのちは取とり上あげられる。そうしたら，蓄たくわえた物ものは誰だれのものになるのか+』。