ヨブ記
2 レビヤタンの鼻に縄*を通せるか。顎にかぎ*を刺し通せるか。
3 レビヤタンはあなたに頼み込んだり,
優しく語り掛けたりするだろうか。
4 あなたと契約を結び,一生あなたの奴隷になるだろうか。
5 あなたは鳥を飼うかのようにレビヤタンを手なずけたり,
少女たちのためにつなぎ留めておいたりするだろうか。
6 商人たちはレビヤタンを取引するだろうか。
商人たちの間で分け合うだろうか。
8 手をレビヤタンに置いてみなさい。
格闘が頭から離れず,もう触ろうと思わなくなるから。
12 レビヤタンの手足や力強さ,
均整の取れた体つきについて話を続けよう。
13 誰がレビヤタンの外衣を剝いだか。
誰がレビヤタンの顎の中に入れるか。
14 誰がレビヤタンの口の扉をこじ開けることができるか。
並んでいる歯は恐ろしい。
16 一つ一つがぴったりとくっつき,
空気さえ入り込むことはない。
17 互いに張り付き,密着していて引き離せない。
18 レビヤタンの鼻息は光を放ち,
目は夜明けの光のようだ。
19 口からは稲妻の光が出ていき,火花が飛び出す。
20 鼻からは煙が立ち上る。
イグサを炉で燃やすかのように。
21 息をすれば炭が燃え上がり,口から炎が出る。
22 首はとても頑丈で,行く先々に恐怖を巻き起こす。
23 皮膚は互いにしっかりとくっついており,
鋳造された物のように固く,動くことがない。
24 心臓は石のように,臼の下石のように丈夫だ。
25 レビヤタンが起き上がると,強靱な人でさえも恐れる。
暴れ回ると,人はうろたえる。
27 レビヤタンにとっては,鉄はわら,銅は腐った木。
28 矢を放たれても逃げ去りはしない。
石投げ器の石もわらに変わる。
29 こん棒をわらであるかのように見なし,
投げやりのうなる音をあざ笑う。
31 レビヤタンは深い水を鍋のように沸き立たせ,
海を香油の鍋のようにかき混ぜる。
32 通った後にはきらめきが生じる。
人は深い水に白髪があると思うだろう。
33 レビヤタンのようなものは地上にいない。
恐れを知らない生き物として造られた。
34 誇り高い動物を全てにらみ付ける。
全ての勇ましい野獣を治める王である」。