世界展望
支配権の問題
◆ 去る6月下旬,エホバの証人は世界中に及ぶ一連の大会をふたたび開始した。大会の基調をなす話は,「神の支配権 ― わたしたちは支持していますか,それともそれに反対していますか」という,わたしたちに挑戦となる問題を提起した。報告によれば,一連の大会の最初の月に,出席者はすでに55万8,000人を越えた。
アフロ・ヘヤースタイルに警告
◆ アメリカのエモリー大学皮膚学者のA・C・ブラウン博士は,「アフロ」ヘヤースタイルをすると若はげになると警告した。粗悪な化学製品,石油から作られた仕上げ剤,最近流行の型を作るクシ,アフロピンと呼ばれて髪を立てるために使う特別なクシは有害である。その結果,髪がいたみ,頭皮に傷跡ができて一生なおらないはげになってしまう。同博士と仲間の研究者たちは,2年の間に,アフロのヘヤースタイルをしたために若はげになった25人の男性に会った。髪の毛を素直にのばしたヘヤースタイルがよい,と同博士は勧めた。
父親は重要
◆ 父親は子どもの健全な発育にとってどれほど重要であるかということが,最近,アメリカのロードアイランド大学で父性心理学を研究しているヘンリー・ビラーによって指摘された。彼によれば,父親の影響は,妊娠中の妻に良い精神状態を保たせることにより,子どもの誕生以前から始まる。子どもの誕生後は,父親がいることによって,母親と子どもの精神的な関係の平衡が保たれる。父親の良い模範は,子どもが他の人と協調してゆくうえで助けとなる。父親は,子どもの健全な性的成長において,母親よりも影響力が強いようであり,子どもたちが,自分は男,あるいは女で良かったと感じるのを助ける。生後,最初の2年間に父親の適切な世話を受けない子どもは,後になって問題を持つことが多いとビラーは語った。
親と麻薬
◆ オーストラリアのシドニーで最近行なわれた調査によると,同市の家庭の主婦の30%が薬物依存状態を引き起こすバルビツール酸塩やその他の合法的な麻薬を使用していることが判明した。中には朝の6時から麻薬を飲みはじめる親もいる。母親が麻薬で“いい気分”になっている間に子どもたちがなおざりにされてないかどうかを調べるため,郊外にある多くの家庭を訪問しなければならないのにいや気がさして,退職する社会事業家は少なくない。カナダで行なわれたある大がかりな調査によると,親の麻薬の常習は,十代の子どものそれに反映することが明らかとなった。若者の麻薬の常習は子どもが親からそれを学ぶ,「習得した行為」のようである。ただ若者はふつうもっと危険な麻薬にふける。喫煙や飲酒にふける親は,より強い麻薬を求める子どもを持つ「可能性がはるかに大きい」。
長髪の工員は要注意!
◆ アメリカの全国安全協議会は,このほど,長髪の工員に警告を発した。紡績機は長髪を巻き込んで頭から髪をもぎ取り,一生直らない傷を残すことがある。呼吸保護装置をつける長髪の工員は危険な汚染菌を十分にシャットアウトできない。あごひげやほおひげが機械に巻き込まれると,顔とか,目,歯,骨格に大けがをすることがある。酸素ボンベの近くにいる溶接工のひげに火花がつくと,即死することも考えられる。そうした事故の可能性は,ネットを使っても十分予防することはできない。
「ひどい牧師不足」
◆ ダーバンのデーリー・ニューズは,最近,南アフリカの教会はひどい牧師不足に悩んでいると報じた。説教壇が空席のため,一般信徒が印刷された日課を読み,教会の日曜礼拝のかっこうをつけることがよくある。
初の女性ラビ
◆ 近年,キリスト教世界の教会の中には,女性を牧師に任命しているところがある。しかし最近,アメリカでは初めて女性のラビが叙任された。ニューヨークのある会堂での彼女の任事には,説教,講義,それに葬式や結婚式を取り行なう務めなどが含まれる。
レーザー光線と時計の製造
◆ 時計製造産業はレーザー光線をドリルに使う方法を発見した。穿孔機を使うと,ルビーに一つの穴をあけるのに9分から12分かかる。ところがレーザー光線の特別装置はその作業を音をたてずに一秒間でしてしまう。ソ連のレニングラードに近いある町では,250台の穿孔機を3台の自動レーザー光線装置に切り換えた。
騒音の悪影響
◆ 過度の騒音のために,多くの労働者が難聴になってはいないかということは長年言われてきた。そうした騒音の結果,心の平衡がくずれ,循環系統の故障や心臓障害が起きている。騒音はまた,気分の変化,ばく然とした心配,頭痛,むかつき,不安定,理屈っぽさ,性的不能を助長する,精神的な疲労の原因となると考えられている。そうぞうしいジュート工場で10年以上その仕事に従事した織工たちは,全く聞こえなくなったわけではないが一生耳が遠くなったことが明らかにされている。
犬を静かにさせる装置
◆ 眠ろうとしている人が,ほえる犬を静かにさせるのにどんな方法があるだろうか。アメリカのメリーランド州に住む,ある思いつきのよい弁護士がその問題を解決する装置を考案したと伝えられている。それは物まねによって,人間には聞こえない周波数でうるさい犬にほえ返す装置である。同弁護士の近所のほえる何匹かの犬は静かになったが,飼い主たちは真相に気づかなかった。この装置は眠ろうとする人の問題を解決するかもしれないが,どろぼうがあたりにいる場合にはどんなことになるだろう。
昆虫の嗅覚力
◆ 西ドイツにおける最近の研究で,昆虫が並はずれた嗅覚を持っていることが明らかにされた。実験によると,まいまい蛾の,においを捕える触角の一つには5万個のセンサがついている。各センサはにおいの分子の1種類だけに敏感であるが,他のセンサもその分子に“同調”するらしい。雄のまいまい蛾は,その半数が雌のにおいに敏感なので,1㌔半以上離れていても雌をみつけることができる。科学者たちは,害虫と思われる虫の嗅覚を混乱させてそうした虫を制御したいと考えている。
金星着陸
◆ 去る7月22日,ソ連は金星に2度めの無人宇宙船を着陸させることに成功した。宇宙船は金星から50分間にわたって地球に情報を送ってきた。最初の金星着陸では,表面温度が摂氏480度,気圧は地球の海面における気圧の90倍であることが明らかになった。
ガンにかかったさかな
◆ アメリカのイリノイ州シカゴの西部を流れるフォックス川は汚染がひどく,調査係官によれば,その川のさかなの16%にはかたい腫瘍ができている。川の水の標本からは,異常に多量の排泄物や燐酸塩,ガソリン,エーテル,除草剤,殺虫剤,また危険量に達する水銀,それにカドミュウムが検出された。汚染された川で泳いだり,そうした川でとれたさかなを食べることは危険である。一博士は,「汚染されていることがわかっている川でさかなをとってはいけない」と警告している。
凍った本
◆ アメリカのコーニング・ガラス会社は,最近ニューヨーク州北部を襲った洪水で浸水し,ガラス工芸に関する同社の蔵書約6,000冊が水浸しになった。書籍保存の専門家の助言に従い,それらの本は冷凍庫に入れられた。冷凍すれば,カビが生えたりインクがにじんだりするのを防止できる。カビは水浸しになった本を使用不能にするからだ。一冊の本を溶かして乾燥させ,もとに戻すには約20時間かかると言われている。
麻薬の売買
◆ ニューヨーク・タイムズ紙によると,アメリカ中央情報機関の職員によってまとめられた報告は,東南アジアにおける飛行機や船による麻酔剤の密輸を取り締まることはほとんど不可能であるとしている。その理由として次のことが指摘されている。不幸にして初期の解決がまず望めそうにないごく基本的な問題は,ある国々のある場所で,腐敗,共謀,そして無関心が存在していることであり…そのことは,密輸の行なわれている土地の政府が,もっと効果的に売買を取り締まるのをはばんでいる」。腐敗と貪欲は人間の支配の共通した所産であり,それはまた,人類が神の支配を必要としていることを如実に示すものである。