副会長と共に世界周遊
ハワイ(前号からのつづき)
午後にはテレビジョン放送局WGBMの放送室で,フランズ兄弟は『ゲスト・タイム』に2分半のテレビ放送をしました。また,午後の集会が終つて後に,数多くのハワイの島々から来た宣教者や特別開拓者などの25名は支部の傍にある御国会館でフランズ兄弟と1時間半にわたる,予定のなかつた会合を開きました。この時間中,興味深い奉仕と聖書の質問が取りあげられました。フランズ兄弟は,ここに集まつた全時間奉仕者に,ハワイにおける恵まれた立場を想起せしめ,熱心な奉仕に良い模範を示すようにと諭しました。
土曜日の朝,650名がパビリオンに集まつて献身と洗礼についての話を聞きました。洗礼を受けた人の合計は52名で,その中19人は兄弟,33人は姉妹です。
新世社会大会の最高潮,公開講演に対する最後の準備がなされました。好都合にも,雨は降らず,気温は程々のものでした。『新しい世の平和は現代に実現する ― なぜ?』という講演の題は,多種多様の方法で広く宣伝されており,一般の人々は,その宣伝に答え応じました。講演者である協会副会長が,聴衆に向つて話をしたとき,その講演はテープに録音され,30分の終りになると講演のその部分は,会場からあまり遠くないラジオ放送局KPOAに直ちに運ばれました。そして,その放送は午後3時45分から始まつたのです。パビリオンで中断なく行われた公開講演の次の30分も,同じようにテープに録音されて,急いでKPOAに選ばれ,講演のラジオ放送も中断なしに続きました。講演の最後の15分には,新しい世の平和という目標をいつそう追い求めるようにと聴衆に強くすすめました。また新しい世の平和を永遠に亘つて楽しむようにとの心からの希望も言い表わされましたが,その部分も録音され,KPOAによる放送は午後5時に終りました。大きなハワイ島にあるKILA放送局は,KPOA放送局と連結していて,この講演全部は主としてヒロにいる島に住む8万人に対して中継放送されました。公開講演後に,支部の僕は『この場所での大会は,今回限りで最後です』と発表しました。どうしてですか。『今では小さ過ぎる!』のです。まつたく,出席者数は,いままでハワイで行われたヱホバの証者の公開集会で,最大のものでした,そして,記録破りの新最高数1472名がその場所に出席したのです。ラジオで放送を聞いた未知の数の聴衆は,数えられていません。
すこし中憩してから,大会は再び始まり,毎週研究される「ものみの塔」誌の概要と,『新世社会内にとどまる』という支部の僕の話を聞きました。明らかに一般の方々も大ぜい大会の最後の部を聞いていました。副会長がこの霊的な食事の結びとしての話をしたとき,公開集会以外の集まりでは一番大ぜいの出席者1128名がその場に居て,話を聞いたのです。副会長は,美しいこのハワイの島に訪問ができたこと,および神の言葉に興味を持つ聴衆や,新しい友と知己になつたことに感謝の言葉を述べました。それから,王イエス・キリストを通して霊的な繁栄が与えられるようヱホバ神に心からの祈りを捧げて,大会を閉じました。大会が終つてからずつと後の真夜中になつて雨が降り始めました。
カリフォルニヤ州,オークランド
翌日午前7時すぎ飛行機はアメリカ大陸のサンフランシスコ国際飛行場に到着しました。カリフォルニヤ洲サンフランシスコーオークランドにある多くの会衆の僕たちや代表たち13人が飛行場に来ていました。フランズ兄弟はハワイから持つて帰つたばかりのレイで,一人一人を飾りました。その巡回区の公共関係の僕は任命された責任を機敏に行いましたから,夜の集会が初まる前に,KLX放送局で7分間のフランズ兄弟との面談のレコードと,もう一つ以前のものみの塔の放送局であつたKROWで面談のレコードを作りました。カリフォルニヤ洲オークランドの市立競技場で行われる夜の集会には,混雑をさけるため招待が制限されていました。それでも,半時間の素晴しい音楽のプログラムがすんで8時になると,世界一週旅行者がアメリカ合衆国で最初に行う報告を聞こうとして,8091人の大群衆が大きな競技場をうめました。聴衆はあちらこちらの遠い場所から,或る人々は南方のロスアンゼルスからさえはるばるやつて来ました。2時間に亙る旅行談を聞いてすつかり爽快になつた人々は自分の土地に帰りました。
次の朝2月7日木曜日副会長は空路ブルックリンのものみの塔協会本部にむかいました。8時間少しの直通横断飛行機で東に向い,飛行場が自動車で混み合つていたためしばらく旋回した後,ニューヨーク市外のロングアイランドにあるアイドルワイルド国際飛行場に安全に到着しました。協会の会長と会計主事の他,多くのブルックリンベテルの家族が出迎えました。それはほんとに楽しい再会でした。そしてこの歓迎組もハワイのレイで飾られました。副会長の世界一週奉仕旅行は,太平洋にある国際日附変更線を越えた時の1日を加えて,77日又は11週間いつぱいかかりました。アメリカ本土をのぞいて,17の国々を訪問し,地球を取りまくヱホバの証者の新世社会の成員と会いました。到る所でこの新世社会の成員は,すでに発表された,1958年夏ニューヨーク市の大スタジアムで開催される,ヱホバの証者の国際大会に出席したいと希望を示しました。