『こうべを上げ』て救いを知らせる
エホバの証人の1969年度年鑑より
エホバの証人が困難な状況下で奉仕する国々(その3)
トルコ
真理を発見するならば,さっそく身近かな親類に伝えたいと思います。アンデレの場合もそうでした。彼はメシヤに出会ったらさっそく自分の兄弟シモンにその良いニュースを知らせました。一人の年とった姉妹も同じことをしました。彼女は病気や親類のひどい反対にもかゝわらず,とても熱心であり,聖書について親類に伝えることを止めません。10年前,この姉妹の親類の一人は,国内のいちばん奥地から1100キロ余も旅行して彼女を尋ねてきました。いうまでもなく,彼女は神の国についてその親類の男の人に話しましたが,彼はとても反対し,姉妹のことをあざけり始めました。しかし姉妹はあきらめず,むしろ彼の訪問中に聖書の幾つかの教えに対して彼の目を開いてあげようと巧みにつとめました。姉妹は彼と別れる時に言いました。「私はあなたが聖書の真理を理解できるよう助けてあげてくださいとこれからずっとエホバにお祈りしましょう。真理についてさらに多くのことばを学ぶため,あなたがまた旅行なさる日が来ることを私は確信しています」。この「日」は10年後にやって来ました。
この人はその間,聞いたことを忘れられず,ついに,邪悪なこの世の中での最後の希望はそれしかないのではないかと思うようになりました。彼は家族を連れてその姉妹のいる市に引っ越して来ました。さっそく家族全部が聖書の勉強を始め,間もなく主の民と交わり始めました。彼の子供の一人はバプテスマを受け,父親自身ともう一人の子供はとても熱心な伝道者です。この姉妹は親類のために祈り,また真理を伝えることを止めなかったゆえに,今大きな祝福を得て喜んでいます。