『直き者に目を留めなさい』
1 (イ)詩篇作者ダビデは,どんな人たちを見つめなさいと言っていますか。(ロ)今日住んでいる人々の中にそのような人々がいますか。
詩篇作者ダビデは,神のようになろうと努めている人々に特別の関心を抱くことの価値を認識していました。「とがめのない者を見つめ,直き者に目を留めよ。その人の将来は平和なものだからである」と彼は書いています。(詩 37:37,新)そういう人はたくさんおり,皆神への奉仕に忙しく従事しています。イエス・キリストの足跡に従い,良いたよりを宣べ伝えることに自らをささげ,父のようであったイエス・キリストのようになろうと非常な努力を払う人々のことを,多年にわたり聞くことができたのは本当に大きな喜びです。彼らの伝道,また正しい道を歩むことにおける彼らの粘り強さは,以下の例が物語っているように多くの人を神に引き寄せました。
性道徳を実践し,正直に生きる
2 性道徳に関する公開講演のあと,講演者は,出席していた二人の人とどんな会話をしましたか。
2 エホバの証人の王国会館で講演を行なう特権を得たある兄弟は,人間が守るべく神が定められた高い原則を唱道し,また神の愛を力説しました。講演中同兄弟は,人類が陥っている不道徳についてかなり詳しく話し,結婚の床は淫行によって汚されるべきでない,という考えを強調しました。(ヘブライ 13:4)この非常に興味深い講演が終わったあと,ある夫婦が講演者のところへ来て,幾つかの質問をしました。その一つは,『もし淫行ができないとしたら,男はどうすればよいのですか』というものでした。その人の質問は,世の男性が普通もっている考えからそうかけ離れたものではありませんでした。使徒パウロの時代にさえ,パウロは,淫行がはびこっているゆえに,男はそれぞれ自分の妻を持つべきである,と言いました。(コリント第一 7:2)そこで講演者はその夫婦に,性は遊びの道具ではないこと,結婚は極めて厳粛な制度であって,神がエデンの園で,アダムとエバを「一体」とされたときに創始されたものであることを説明しました。そしてさらに詳細な点を取り上げ,キリスト・イエスさえその最初の結婚に言及されたこと,またこれは神がつくられた取り決めで清く保たれねばならないこと,結婚の床は汚すべきでないことなどを説明しました。(マタイ 19:4-6)夫が妻を,妻が夫を心から愛し,神のことば聖書の中に記されている原則に従うなら,二人の良心にやましいところはありません。したがってその結婚は幸福なものとなり,不道徳や乱交のゆえに今日世にはびこっている病気にかかることもありません。その三人は非常に興味深い討論をし,最後に講演者は家庭聖書研究をすることを二人に勧めました。
3 (イ)五週間後,その若者はどんな質問をしましたか。(ロ)彼は問題をどう扱うことに決めましたか。なぜですか。
3 それから五週間後,すでに聖書を真剣に勉強していたその若者は,自分の教え手に重要な質問をしました。彼はこう話しました。「去る六月のこと,わたしの友人が事故を起こして自分のトラックを壊してしまいました。それで彼は,保険金が取れるように,わたしがそのトラックを運転していたと言ってくれ,とわたしに頼みました。その時にはなんとも思わなかったので,じゃそう言おう,とわたしは言いました。ところが,その後保険会社は問題を法廷に持ち込みました。ですから証人が全部出頭しなければなりません。もしわたしが証人台に立って,もとの話をそのままするとすれば,わたしはうそを言うことになります。それは神の言葉に背くことです。神の言葉を学んだので,うそをつくことはわたしの良心が許さないのです」。もちろんこの人の質問は,「どうしたらよいでしょうか」ということでした。正直と真実を言うこととに関する聖書の原則について話し合ったところ,その若者は,トラックが受けた損害を自分が払って,トラック所有者に保険会社への請求を撤回させることに決めました。(ヨハネ 8:44。ヘブライ 13:18)そのために訴訟は取り消されました。若者は今は清い良心を持ち,正しい方である神に一層似る者となるように努めています。(ペテロ第一 3:12)真実を言うことに対するその人の愛は,生活を大きく変化させ,今では彼は神の王国の良いたよりを家から家に宣べ伝えています。
4 したがって,この夫妻はますます神のようになるために何をしていたのでしょうか。
4 こうした経験は何を物語っていますか。この夫妻は,聖書の勉強を初めてわずか五週間しかたっていなかったにもかかわらず,聖書を勉強することにより自分たちの生き方を改めることに,そしてアダムとエバの創造者である神のようになることに,努めていたのです。二人は直く生きるよう努力しており,神の定めた原則に従うことを望んでいます。彼らの生活の中には,淫行やどん欲が占める場はもはやありません。―ローマ 12:2。エフェソス 5:5。
クリスチャンの愛は人を引き付ける
5 (イ)ヤコブ 2章8節は,どんな特質を示すよう,わたしたちを励ましていますか。(ロ)英国での大会で話されたように,ある証人はその愛をどのように示しましたか。
5 神のようになるためには,他の人々への愛が生活の中で主要なものでなければなりません。隣人愛を示す方法はいくらでもあります。(ヤコブ 2:8)1975年の夏,英国のシェフィールド市で開かれた大会で一つの経験が語られましたが,話し手の婦人は次のように言いました。「二年前,夫が私と六歳の息子を残して出て行ったとき,私の生活は全く空虚なものになってしまいました。頼る家族もありません。私は病気で,経済的にも困っていました。家の中には暖房用の燃料もありませんでした。そうしたある日,近所の人が電話をかけに来ました。私の様子に目を留めたその人は,魔法びんにコーヒーを入れてケーキと一緒に持って来てくれました。また薬を手に入れてくれたり,後ほどバケツ一杯のたきぎを持って来てくれたり,いろいろな面でなにくれとなく助けてくださったので,とても元気づけられました。
6 さらにどんなことが,その婦人の霊的な進歩に貢献しましたか。
6 「私はこのことに驚いてしまいました。というのは,この隣人がエホバの証人であることを知っていたからです。私はいつも,エホバの証人はどこか変わっていると考えていました。しかしこの隣人らしい行ないから,彼らがいかに正常であるかに気づきました。私たちの友情は深まり,数週間後にその人は,主イエスの死を祝うため王国会館に行くよう,記念式の時に私を誘ってくれました。幼い息子も一緒に行きました。私にとってそれは非常に良い経験でした。以前一度も会ったことのない,知らない人たちのまん中にいたのに,すっかりくつろいだ気分になれました。その晩,私はその親切な隣人から小さな贈り物をもらいました。それは『とこしえの命に導く真理』という本でした。初めのうち私はそれを読みませんでしたが,ついに『幸福な家庭生活を築く』という題の章があるのに気づきました。これには興味をおぼえました。そこに言われていることを自分の聖書で調べてみましたが,述べられていることはすべて事実であることが分かりました。言うまでもなく,私はすぐに聖書研究を始めました。離婚および主にある者との結婚について聖書が述べていることを学んだ私は,結婚相手として考えていたカトリック教徒のある男性との関係を断ちました。そのころまでには,つり合わないくびきを共にしてはいけないこと,また結婚するならクリスチャンは『主にある』者とすべきであることを学んでいたからでした。―コリント第一 7:39。コリント第二 6:14。
7 その婦人自身の活動において,他の人々に対する愛はどのように明らかになりましたか。
7 「それからまもなく献身とバプテスマへ心を動かされたことを,エホバに感謝しています。今年はいろいろな月に一時開拓奉仕を行ないました。年内には五か月にしたいと思っています。私の家はほんとうに小さな家ですが,地域大会の時に20人の兄弟姉妹をお泊めして,兄弟愛を示せたことは大きな喜びでした。このうち五人は,私の屋敷内に張ったテントの中で寝てくださいました。エホバに感謝すべきことに,私は今満ち足りた生活をしています」。―ローマ 12:13。ヨハネ第三 5-8。
8 エフェソス 5章1,2節に示されている通り,何が神を喜ばす助けになりますか。
8 ですから,神のようになることに努め,『キリストがわたしたちを愛したように愛のうちに生きる』ことは,確かに神に喜ばれることです。(エフェソス 5:1,2,新英)神の言葉を勉強し,誠実な気持ちでそれを信じ,神の前に自らを低くするなら,人の生活は大きく変化します。
9 カナダに住むある男の人は,妻と子供たちがエホバの証人の集会に行き始めたとき,どんな反応を示しましたか。妻はどのように賢明に行動しましたか。
9 交わりと兄弟愛も人の生活に大きな影響を及ぼします。例えば,カナダのオタワからは次のような報告が寄せられました。オタワに住む信心深いカトリック教徒のある婦人は,エホバの証人の会衆の集会に出席するようになりました。その人は子供たちを全部連れて出席しました。一人の子供は以前教会で侍者をつとめました。王国会館から戻ると子供たちは,聖書から新しく学んだことを興奮して父親に話したので,父親はひどくきげんを損ねました。それは,多くの夫がよく示す反応でした。やけになった父親は,エホバの証人との勉強をやめなければならない,証人の集会にももう行ってはいけない,と妻子に言い渡しました。業を煮やした彼は,そこの家で妻や子供と聖書を勉強していた開拓者の姉妹を含め,五人を全部撃ち殺してやる,とまで言いました。妻は夫が本気でおどしていることを知っていたので,エホバの証人の会衆の長老に電話をかけ,家に来て主人に問題を説明してください,と頼みました。そうすれば,エホバの証人に関する彼女の夫の誤解や偏見が解けるかもしれません。
10 その男の人を訪問したとき,長老は事態をどのように扱いましたか。
10 初めのうち主人は冷淡な態度を示し,ものを言いませんでした。しかしその長老は親しみやすくて親切な,そして力になりたいという態度で接し,夫なら,妻子が一つの礼拝所に行き,自分が別の教会に行くということになれば,あなたと同じような気持ちになることはよく分かります,と話しました。(テモテ第二 2:24,25)そして,わたし自身,妻がわたしのあまり知らない,あるいは全く知らない組織とかかわりを持つことは望みません,と説明しました。それで,少なくとも妻や子供たちが行く集会の一つに出席して,どんな人々が,エホバの証人の王国会館の集会に出席しているかを見ることを,長老はご主人に勧めました。出席者たちをよく観察し,彼らが教えられることを聞き,また彼らの気質を知れば,家族の霊的関心について賢明な決定を下すはるかに良い立場を得ることになります。
11 王国会館に来たとき,その人はどんな印象を受けましたか。どんな結果になりましたか。
11 反対していたその夫は,妻が本当に何に関心を持っているかを見るために,ただ試しに集会に来て見るよう,暖かく招待されました。二人は親しくなって分かれました。さてどうなるか,皆関心を寄せていました。次の日曜日が来て,反対の夫は朝のうち自分の教会に行きました。そして妻と子供たちがひどく驚いたことに,その日の午後王国会館に来たのです。兄弟たちから示された愛と友情に深く感動し,次の日曜日にも出席しました。こんどは先に自分の教会に行かないで出席しました。このころその人との聖書研究が始まりました。問題が頂点に達していた時にその家庭を最初に訪問した長老が,その人と勉強を続け三か月たちました。そして地域大会の発表がありました。開催都市は965キロ離れたところにありました。その人はもっと多くを見,もっと多くの事を知りたいと思っていたので,家族にとっても初めての地域大会に一緒に行きました。兄弟愛,隣人愛,戒めの中で最大のものである神への愛が,この夫に非常に大きな印象を与えました。(ヨハネ 13:35。マタイ 22:35-39)一年後,その夫妻はバプテスマを受け,夫は会衆内で非常に活動的になり,霊的にすばらしい進歩を見せています。
12 神のようになろうと努めている人々は,他の人々のためにどんな活動に従事しますか。
12 エフェソス人に対するパウロの訓戒はこの場合にぴったり当てはまります。「要するに,神の愛する子として,神のようになることに努めなさい。そしてキリストがあなたがたを愛し……たように,愛のうちに生きなさい」。多くの人々は今日,人間が創造される時に最初に植え付けられた,愛,公正,知恵,力という立派な属性を培っています。それはできることなのです。上述のことは例外だと考えるべきではありません。現在,エホバの証人の集会に定期的に出席している人は200万人以上います。そればかりではありません。彼らは王国の良いたよりを世界中で宣べ伝えて,多くの人々に,同じような平和と喜びと満足をもたらしています。先ほど述べた長老は,不正な利得を愛する気持ちからでも,強いられてでもなく,自分から進んで神の羊の群れを牧することに熱心でした。―ペテロ第一 5:1,2。
五年後のすばらしい結果
13 (イ)エホバのしんぼうは人間にとってどのように益となりましたか。(ロ)エホバの証人とのわずかな出合いは,ある10代の少女に,学校在学中どれほどの影響を与えましたか。
13 エホバは人類に非常なしんぼうを示してこられました。(ペテロ第二 3:9)人の心が,神の目的と全く一致するまでには,多くの場合時間がかかりますから,それはたいへん有益でした。若い人々が,親のあらゆる反対や,「高等教育」の影響にもかかわらず,ある期間のうちに神の言葉の真理を実際に悟るのを見るのは,胸のおどる思いです。ポルトガルからの報告によると,五年ほど前のこと,ある10代の少女は,戸別伝道をしていたひとりのエホバの証人に会いました。二人はおもに進化論について討論しました。少女の父親は「進化」の本を求めて読みましたが,それでも進化論を擁護し,聖書が人間の創造について述べていることを娘に信じさせまいとしました。当時その少女は,カトリック教会の教義問答のクラスに通っていたので,司祭に,エホバの証人についての意見を尋ねてみたところ,エホバの証人はイエス・キリストさえ信じていない,と司祭は言いました。その後は証人たちと会うこともなく数年が過ぎました。高校教育も終わりに近づいたころ,進化論が取り上げられ,注意の的となりました。少女は情報源を明らかにはしませんでしたが,「進化と創造 ― 人間はどちらの結果ですか」という本で学んだ点を用いて,教師の論議に巧みに反論し始めました。最後に教師は,進化論が証明されていない学説であることを認めざるを得ませんでした。(ヘブライ 3:4)これが動機となってその少女は,同じ本に載せられている他の聖書的主題についても真剣に考えました。
14,15 最後に,どんなことから彼女はエホバの証人と再び連絡を取る気持ちになりましたか。どんな結果になりましたか。
14 彼女が大学に入ってから,ポルトガルで革命が生じました。他の多くの人々と同じように,彼女も政治論議にすっかり熱中し,すべての政治集会に出席しました。彼女は「平等,友愛,自由」というスローガンに心を奪われていました。そして最後に選んだ政党の熱心な闘士になりました。しかし彼女の高遠な希望は政治上の論争によって打ち砕かれ,どの政党も,人類を一致させることはできないことに気づきました。こうしたことについて考えていた1974年12月のこと,リスボンの新聞を取り上げたところ,一ページ全体に,エホバの証人の合法化が報道されていました。エホバの証人の目的を明示した組織の定款を読んで彼女はうれしくなりました。今や彼女は,エホバの証人こそ神の言葉の真理を教えている唯一の人々であるという確信を抱きました。
15 彼女は証人たちと再び連絡を取るべく直ちに行動を起こし,新聞に載っていた住所,つまり協会の仮の支部事務所がある所に行きました。この時までエホバの証人はポルトガルで禁令下に置かれていたのです。その人との聖書研究が始まりました。親の反対は続きましたが,彼女はずっと研究を続け,エホバの目的を明確に理解しました。(マタイ 10:36,37)そして1975年の夏リスボンで開かれた「神の主権」地域大会で,エホバ神に対する献身を表わし,彼女はもとより,彼女と交わるようになった人々も,大きな喜びを得ました。心を決めるまでには長い年月がかかりましたが,それでも彼女はとがめのない者を見つめ,直き者に目を留める機会を持ちました。(詩 37:37)現在ではエホバを知るようになり,エホバのようになるべく努力を傾けていますから,彼女の将来は平和なものになるでしょう。そして思いと心に安らぎを得るでしょう。
神を見倣う,200万余の人々
16 (イ)エホバの証人は世界中にどれほどいますか。(ロ)昨年バプテスマを受けた人は何人いましたか。これにはどんな変化が関係していましたか。
16 以上は,1975奉仕年度中に,217万9,256名のエホバの証人の伝道者が味わった多くの経験の中の,ほんの数例に過ぎません。昨年中,29万5,073人もの人がエホバに献身し,私事を調整して王国の良いたよりを戸別に宣べ伝え,また以前一度も会ったことのない人々との聖書研究を司会したことなど,想像できますか。神の言葉は彼らの生活に影響を及ぼしました。彼らは「古い人格」を捨て去りました。使徒パウロはそれをどのように説明していますか。『あなたがたの以前の生き方にかない,またその欺きの欲望にしたがって腐敗してゆく古い人格を捨て去り,あなたがたの思いを活動させる力において新たにされ,神のご意志にそいつつ真の義と忠節のうちに創造された新しい人格を着けるべきである』。(エフェソス 4:22-24)ですからバプテスマを受けた人々は彼のように,つまり神のようになることに努めているのです。彼らは新しい力によって思いを活動させます。ですから聖書の中で新しい人格と呼ばれているものが,神のご意志にそいつつ真の義と忠節のうちに創造されています。したがってそれらバプテスマを受けた人々は,変化することを望んでいたのです。彼らはその変化を,エホバの証人として知られている組織との交わりの中で,引き続き行なっています。彼らはクリスチャンです。
17 (イ)昨年は,野外奉仕にどれほどの時間がささげられましたか。(ロ)この業を行なったのはどんな人々でしたか。
17 興味深いことに,年次報告を見ますと,これらの神のしもべは,3億8,229万6,208時間を伝道にささげました。これは膨大な量の時間です。どんな人たちがこれだけの伝道をしたのでしょうか。人々が聖書の知識を得るのを助けようとして,決まった日常生活の中で,できる限り多くの時間をささげた人たちがいた,ということです。その人たちの多くは結婚していて家庭を持っています。ですから土曜か日曜,また夜出かけて行って,一か月に10時間か12時間奉仕します。自分の仕事を調整して一か月に100時間ほど野外で過ごす人たちもいます。これらの証人をわたしたちは開拓者と呼びます。それから特別開拓者がいます。特別開拓者は150時間を野外奉仕にささげ,多くの場合,新しい地域に入ります。
18 (イ)幾人が開拓の業を行なっていますか。(ロ)現在伝道は幾つの国で行なわれていますか。(ハ)この業において雑誌はどれほどの場を占めていますか。
18 昨年の報告の示すところによると,毎月11万4,491人の開拓者と,1万5,734人の特別開拓者が世界のどこかで伝道していました。宣教者の分野では2,456人が奉仕しています。彼らはたいてい自分の家から遠く離れたところにいます。事実,この王国の良いたよりは今210の異なる国々で宣べ伝えられています。キリスト・イエスのことを宣べ伝える業はキリスト教世界,すなわち特定の言語を話す国々に限られてはいません。例えば,あなたがお読みになっているこの雑誌は,78の異なる言語で発行されており,各号の発行部数は1,000万部を超えます。1975年には,「ものみの塔」誌はその姉妹誌「目ざめよ!」とともに5億1,370万5,582冊印刷されました。人々が全能の神についてさらに多くのことを学んで神のようになるべく努力するよう,これらの雑誌を配布し,雑誌が人々の家庭に入るようにしているのはエホバの証人です。
19 (イ)なぜわたしたちは書籍を配布しますか。(ロ)昨年はどの程度再訪問が行なわれましたか。
19 エホバの証人が配布するのは雑誌だけではありません。堅い表紙の立派な書籍が幾冊かあり,証人たちは,関心を持つ人とその人の家で勉強をする際に,好んでそれらを用います。事実,昨年中それら神のしもべであるクリスチャンたちは,2,841万783冊の書籍を配布し,文書を求めた人々を1億5,533万6,481回再訪問しました。次のことを想像してみてください。1975年に,彼らは毎週,少なくとも141万1,256人の人の家庭で座って彼らと聖書を勉強したのです。ところで,これは自分を与えることです。これは隣人愛を示すことです。わたしたちは,イエス・キリストや使徒たちが1,900年前に行なったことを行ないたいと思っている人々が皆,エホバの証人と交わって,この同じ活動をされるよう歓迎します。
20 世界中で幾人が,記念式に出席することによってある程度の関心を示しましたか。
20 わたしたちの業に関心を持つ人々が非常に多くいることに疑問はありません。しかし,むろんそれはすべての人に受けのよい業ではなく,世界の多くの場所で迫害があります。諸政府は,自分たちのものとは異なる王国,すなわち神の王国を人類の唯一の希望としてわたしたちが宣べ伝えることを好みません。本当に関心を持つ人々と言えば,エホバの証人は,一年に一回,キリスト・イエスの死の記念式に出席する人々の数を数えます。1975年3月27日には,492万5,643人がエホバの証人の王国会館に来て,キリスト・イエスの死が彼らにとり,また全人類にとって何を意味するかに関する話を聞きました。この報告の中でお気づきになった通り,29万5,073人が,勤勉にエホバに奉仕し,王国の良いたよりを宣べ伝え,キリスト・イエスが,従うべき型として残されたものと一致した新しい人格を着けることによって,一層エホバのようになるべく努力する決意をしました。
21 この記事と一緒に印刷されている奉仕の表に,再訪問と聖書研究が載せられているのはなぜですか。
21 エホバの証人は210の異なる国々や海洋の島々で活発に活動していますが,彼らの行なっている事がらについての詳細な点に関心をお持ちかもしれません。すべてのエホバの証人の便宜のために,わたしたちは各国内のバプテスマを受けた人の数と,そこにある会衆の数を示す表を載せました。その国の全部のエホバの証人が野外奉仕で費やした時間を発表すれば,その特定の地域内でどんな証言が行なわれたか分かります。エホバの証人に関する限り再訪問と聖書研究は本当に重要なものです。なぜなら,その時こそ人々の家で人々と一緒に座って聖書に関する質問に答え,世界の現状についてまたなぜ神はそのような悪を許しているかについて,人々が持っているかもしれない質問の答えを聖書に求めるように助けることができるからです。この世は終わるのでしょうか。悪魔サタンというような害を働いている者がいるのでしょうか。あなたも恐らく多くの疑問をお持ちのことでしょう。それで彼のように,すなわちエホバ神のようになりたいなら,世界中に3万8,256あるエホバの証人の会衆の一つをぜひお訪ねになるようお勧め致します。エホバの証人の王国会館においでになって,彼らとの交わりを楽しんでください。だれにでも結構ですから恥ずかしがらずに話しかけて,あなたと一緒に聖書研究をするよう頼んでください。わたしたちは喜んでお手伝い致します。
22 詩篇 37篇1節から4節に従い,わたしたちは誠実な人すべてに何をすることを勧めますか。
22 あなたは生活上の問題をお持ちですか。失望していますか。安全について心配がありますか。世界の状態に心を悩ましておられますか。ではダビデ王が言ったことに耳を傾けてください。「悪行者たちの故に激してはならない。不義を行なう者たちをうらやんではならない。彼らは草のように速やかに枯れて行き,緑の若草のように消えて行くからだ。エホバにより頼み,善を行ないなさい。地に住み,忠実をもって対しなさい。また,エホバを無上の喜びとしなさい。そうすれば,彼はあなたの心の願いをかなえてくださる」。(詩 37:1-4,新)あなたはこのことを信じますか。それが事実かどうか調べてみるのはいかがですか。エホバの証人と交わってください。彼らは喜んであなたをご援助します。
[212-215ページの図表]
全世界のエホバの証人の1975奉仕年度の報告
(製本した雑誌を参照)