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増大するソ連の軍事力
● 聖書のダニエル書 11章にある預言中には「北の王」と「南の王」の優越争いが大要されています。その預言は「北の王」が「要害の神」すなわち科学技術に基づく軍事力を崇拝することに注目しています。―ダニエル 11:36-43,口。
ソ連のひきいる共産主義勢力と米国のひきいる民主主義勢力との目下の優越争いはこの預言と合致します。そして重要な軍事部門の多くにおいてソ連が米国をしのぎつつあるという見方は,ここ何か月かの間,多くの人によって表明されてきました。
パレード誌の「情報部レポート」は次のように論評しています。「ロンドンで発刊されたジェーン世界航空機年鑑の新しい版は,空軍力においてソ連が米国を大きく引き離していると言明している。……ジェーン年鑑の定評ある編集者J・W・R・テイラーは,現時点の通常の戦争において米国がソ連によく敵し得るかどうかはなはだ疑問であると述べている」。
これら二人の「王」の相対的な軍事上の立場にはかかわりなく,ダニエルの預言が今の時に成就しつつあることは明白です。共産主義の「北の王」が世界の出来事に影響を及ぼす手段として軍事的な可能性を追求することは,正確に予告されていました。全体制の終わりが神によってもたらされる前に,この「王」がどの程度までそのことに成功するかは後になってみないと分かりません。―ダニエル 2:44; 11:44,45。
家庭の崩壊
● 世界の多くの国々で家族という単位は急速に崩壊しています。例えば米国では離婚が毎年100万件を越えており,したがって今では二組の結婚に対して一組の離婚があることになります。これは米国はじまって以来,最高の離婚率です。
また正式に結婚せずに同せいする夫婦がますます増えています。1976年にはこのような夫婦が66万組にも上ったと推定されています。これは1970年以来100パーセント以上の増加です。道徳の崩壊はまた過去四半世紀に三倍以上も増えた私生児の大きな増加に映し出されています。
家族の絆と貞節が崩壊する時,他の絆と貞節も崩壊しつつあります。家庭の崩壊は社会一般の崩壊と時を同じくして起こるのがふつうです。事実,歴史のどの時期を見ても家庭の崩壊は強大な国家が衰え,遂には滅びる時の特色です。
結婚の定めは神の創設されたものであるゆえに,それに対する不敬は神の律法と目的が一般に無視されていることの証拠でもあります。このような不敬が今日広く見られることは,この世が「終わりの日」に入ってすでに久しいことを示す別の証拠です。―創世 2:22-24。コリント第一 7:10,11。テモテ第二 3:1-5。
分裂しているスペインの教会
● スペインのカトリック教会ははなはだしく分裂しています。ニューヨーク・タイムズ誌は次のように論評しています。「右派の司教や司祭の多くはフランコの遺したものを擁護している。幅の広い保守派と中道派はイタリアに見られるような色々な型のキリスト教民主主義に傾いている。また左寄りでは,独立心のおう盛な司祭たちが社会党や共産党の内部で活動している」。カトリック信徒も同様に分裂しています。
カトリックの有力な週刊誌ビダ・ヌーバの編集者ベルナンディノ・ヘルナンド司祭は次の事を認めています。「スペインの教会の大きな問題はカトリック信徒自身が激しく分裂していることである。政党の分裂を見るならば,カトリック教会内部の実情をそこに見る思いがする」。
タイムズ誌も次のように述べています。「スペインの教会は今日はなはだしく分裂しているので幾つもの教会に見えることがある」。他の多くの国においても同様な事態が見られます。そして多くの人と僧職者が愛想をつかして教会に見切りをつけているのは,そのひとつの結果です。
イエス・キリストは警告を与えて次のように言われました。「家が内部で分裂するなら,その家は立ち行けないでしょう」。まさにこのような分裂がローマ・カトリック教会の内部に生じています。これは「わたしが世のものではないのと同じように……世のものではない」ことを追随者に命じたイエスの教えを,僧職者が無視したことのひとつの結果です。―マルコ 3:25。ヨハネ 17:14,16。