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  • 聖書の第55番めの本 ― テモテへの第二の手紙
  • 目ざめよ! 1975
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  • テモテへの第二の手紙の内容
  • なぜ有益か
目ざめよ! 1975
目75 2/8 29–31ページ

『聖書全体は神の霊感を受けたものであり,有益です』

聖書の第55番めの本 ― テモテへの第二の手紙

筆者: パウロ

書き終えられた時期: 西暦65年ごろ

書かれた場所: ローマ

含まれている時代: 確定できない

 1 西暦64年ごろローマではどんな迫害の火の手が上がりましたか。どんな事がその表向きの理由とされましたか。

パウロは再びローマで囚人となっていました。しかし,この二度めの投獄の状況は,最初の時よりずっと厳しいものでした。それはおおよそ西暦64年から65年ごろです。西暦64年7月,ローマ全市に及ぶ大火があり,同市の14の区のうち10の区で大々的な被害を出しました。ローマの歴史家タキツスは,ネロ帝についてこう記しています。「その大火は命令の結果であるという不気味な説を,彼は払い去ることができなかった。それで,そうしたうわさを一掃しようとしたネロは,その嫌悪される事がらのゆえに憎まれ,一般民衆からクリスチャンと呼ばれる人々にその罪を負わせ,言いようのない責め苦を彼らに負わせた。……無数の人々が有罪とされた。ローマ市を焼いた罪のある者とされたが,それ以上に,人類に対する憎しみを抱く者として断罪された。彼らの死に対してはあらゆる嘲笑のことばが浴びせられた。彼らは獣の皮をかぶせられ,犬にかみ裂かれて殺され,十字架にくぎ付けにされ,また火あぶりにされて焼かれ,日の光がなくなった後の夜間の照明に供される者とされた。ネロはこうした見せ物のために自分の庭園を提供した。……そこには同情感が起こった。彼らが殺されたのは,公衆の益のためというよりは,一人の男の残虐心を満たすためと思えたからである」。a

 2 パウロはテモテ第二の書をどんな状況のもとで書きましたか。彼がオネシフォロについて感謝のことばを述べているのはなぜですか。

2 パウロがローマで再び囚人となったのは,こうした激しい迫害の波が起きてしばらく後のことでした。今度彼は鎖につながれていました。彼は自分が釈放されるという期待を抱いていませんでした。むしろ,最終的な裁きと処刑とを待っていました。訪ねて来る人はごくわずかでした。だれせよ,クリスチャンとしての身分を明らかにするなら,捕縛と拷問死の危険を冒すことになりました。それゆえパウロはエフェソスから訪ねて来てくれた人について感謝をこめてこう書くことができました。「主がオネシフォロの家の者たちにあわれみをお与えになりますように。彼は幾度もわたしの気持ちをさわやかにしてくれ,わたしの鎖を恥とするようなことはなかったからです。それどころか,ちょうどローマにいた時には,わたしを念入りに捜して会いに来てくれました」。(テモテ第二 1:16,17)死の影のもとにあったパウロは,自分のことを,「神のご意志により,またキリスト・イエスに伴う命の約束にしたがって,キリスト・イエスの使徒となったパウロ」と呼んでいます。(テモテ第二 1:1)彼は,キリストと結びついた命が自分を待っていることを知っていました。彼はエルサレムからローマまで,そしておそらくスペインに至るまで,既知の世界の多くの主要都市で伝道していました。(ローマ 15:24,28)彼はその道程を最後まで忠実に走ってきたのです。―テモテ第二 4:6-8。

 3 この手紙はいつ書かれましたか。各時代のクリスチャンにどんな益を与えてきましたか。

3 この手紙は西暦65年ごろ,パウロの殉教のすぐ前に書かれたものと思われます。テモテはまだエフェソスにいたことでしょう。そこに滞在しているようにとパウロに勧められていたからです。(テモテ第一 1:3)パウロは早く自分の所に来るようにとテモテに二回促し,マルコを連れて来るように,また,トロアスに残してきた外とうと巻き物を持って来てくれるようにと頼んでいます。(テモテ第二 4:9,11,13,21)非常に難しい状況下で書かれたものであったため,この手紙はテモテに対する強力な励ましを含んでいました。そして,以来どの時代にも,真のクリスチャンに有益な励ましを与えてきました。

 4 この書の典拠性と正典性を何が立証していますか。

4 テモテ第二の書は,テモテ第一の書の部分ですでに論じたのと同じ理由に基づいて,その典拠性と正典性を立証できます。この書は,二世紀のポリカルポスをはじめ,初期の著作家や注釈者たちによって認められ,また引用されています。

テモテへの第二の手紙の内容

 5 テモテのうちにはどんな信仰が宿っていますか。それでもどんなことを行ないつづけるべきですか。

5 『健全なことばの型をつねに保つ』(1:1–3:17)パウロはテモテに告げます。つまり,パウロは祈りの中でテモテについて忘れることはありません。そして,テモテに会うことを切望しています。パウロは,テモテのうちにある「偽善のない信仰」を思い起こします。それは初めテモテの祖母ロイスと母ユニケに宿ったものでした。テモテは自分にある賜物を火のごとくに燃え立たせるべきです。『神は,憶病の霊ではなく,力と愛と健全な思いとの霊を与えてくださったからです』。それゆえテモテは,良いたよりのために証しをし,またそのために苦しみを忍ぶことを恥じてはなりません。神の過分のご親切は,救い主キリスト・イエスの顕現によって明瞭にされたからです。テモテはパウロから聞いた「健全なことばの型をつねに保ち」,それを優れた信託物として守るべきです。―1:5,7,13。

 6 教えることに関してパウロはどんな助言を与えていますか。どうすればテモテは是認された働き人,誉れある器となれますか。

6 テモテは,自分がパウロから学んだ事がらを「忠実な人びと」にゆだねるべきです。「ついでそうした人びとは,じゅうぶんに資格を得て他の人びとを教えることができるようになる」でしょう。テモテは,自分がキリスト・イエスのりっぱな兵士であることを示さなければなりません。兵士はもうけ仕事などにはかかわりません。さらに,競争で冠を与えられるのは規則にしたがって闘った人です。テモテはパウロのことばに絶えず考慮を払っているべきです。それは,識別力を得るためです。常に銘記し,他の人々にも思い起こさせるべき大切な点は,「イエス・キリストが死人の中からよみがえらされたこと,またダビデの胤に属するかたであること」です。また,キリストと結ばれた救いと永遠の栄光,およびキリストと共に王として統治すること,これが,選ばれた者そして耐え忍ぶ者の受ける報いです。テモテは,自分自身を是認された働き人として神にささげるために力を尽くして励み,聖なる事がらを汚すむだ話から遠ざかるべきです。それは脱疽のように広がるのです。大きな家では,誉れある目的のための器はそうでない器と別にされます。それと同じように,「若さに伴いがちな欲望から逃れ,清い心で主を呼び求める人びととともに,義と信仰と愛と平和を追い求めなさい」とパウロは訓戒します。主の奴隷はすべての人に対して穏やかで,教える資格を備え,柔和な態度で教え諭すべきです。―2:2,8,22。

 7 霊感による聖書は「終わりの日」に特にどんな点で有益なものとなりますか。

7 「終わりの日」には,対処しにくい危機の時代が来ます。人々は敬神の専念という見かけを示しながら実質を持たない者となり,「常に学びながら,決して真理の正確な知識に達すること」ができません。しかし,テモテはパウロの教えに,またその生き方にも迫害にも堅く従ってきました。主はそうした迫害からパウロを救い出されたのです。「キリスト・イエスにあって敬神の専念をもって生活しようと願う者はみな同じように迫害を受けます」。しかし,テモテは幼い時以来学んできた事がらに引き続きとどまっているべきです。それは彼を賢くして救いに至らせることができます。『聖書全体は神の霊感を受けたものであり,有益なのです』。―3:1,7,12,16。

 8 パウロはテモテに何を促していますか。この点に関してパウロ自身はどんなことに歓喜しますか。

8 奉仕の務めを十分に果たしなさい(4:1-22)パウロは,緊急感を抱いてみことばを宣べ伝えるようにとの命令をテモテに課します。人々が健全な教えに堪えられなくなって偽教師にそれてゆく時が来ますが,それでもテモテは平静を保ち,『福音宣明者の業をなし,自分の奉仕の努めを十分に果たす』べきです。解き放たれる時が近づいていますから,パウロは,自分がりっぱに戦ってきたこと,走路を最後まで走り通し,信仰を守り抜いたことに歓喜します。今彼は,前に置かれた報い,「義の冠」に確信を抱いて目を留めます。―4:5,8。

 9 パウロは主の力に対するどんな確信を言い表わしますか。

9 パウロは,早く自分のところに来るようにとテモテに求め,その旅に関して指示を与えます。パウロが最初の弁明をした時,だれもが彼を見捨てました。しかし主は彼に力を注ぎ込み,宣べ伝える業が諸国民の間で十分に遂行されるようにしてくださいました。そうです,主はあらゆる邪悪な業から彼を救い出し,天の王国の救いを与えてくださるでしょう。パウロはそのことを確信しています。

なぜ有益か

10 (イ)テモテ第二の書の中では「聖書全体」のどんな益が特に強調されていますか。それで,クリスチャンはどんな点で励むべきですか。(ロ)どんな影響を避けるべきですか。そのことはどのようになされますか。(ハ)どんなことが引き続き緊急に求められていますか。

10 「聖書全体は神の霊感を受けたものであり……有益です」。どんな面で有益なのですか。パウロはテモテへの第二の手紙の中でその点を述べています。「教え,戒め,物事を正し,義にそって訓育するのに有益です。それは,神の人が十分な能力をそなえ,あらゆる良い業に対して全く整えられた者となるためです」。(テモテ第二 3:16,17)こうして,この手紙の中では,『教える』面での益が強調されています。義を愛する今日の人は皆,この手紙にある賢明な助言に従い,みことばを教える者,「真理のことばを正しく扱う」,神の是認された働き人となるために力を尽くして励むことを願うでしょう。テモテの時代のエフェソスと同じように,今の時代においても,「愚かで無知な質問」をこねまわす人,「常に学びながら,決して真理の正確な知識に達することのできない」人,自分の利己的な願いどおりに耳をくすぐってくれるような教え手を好んで「健全な教え」を退ける人々がいます。(テモテ第二 2:15,23; 3:7; 4:3,4)世からのこの不純な影響を避けるために,信仰と愛のうちに「健全なことばの型」を常に保つことが必要です。さらに,より多くの人々が「神の人」テモテのようになり,じゅうぶんに資格を得て,会衆の内外において「他の人びとを教える」ようになることが緊急に求められています。こうした責任を担い,『柔和な態度で教え』,「辛抱強さと教えの術とをつくして」みことばを宣べ伝える者となる人はみな幸福です。―テモテ第二 1:13; 2:2,24,25; 4:2。

11 年若い人々についてどんな忠告が与えられていますか。

11 パウロが述べるとおり,テモテは「幼い時から」聖なる書物に親しんできました。それはロイスとユニケの愛のこもった教えによるものでした。「幼い時から」ということばは,今日の子どもたちにいつから聖書の教育を始めるべきかをも示しています。しかし,後になって,初めのころの火のような熱心さの消えかかることがあるとすればどうでしょうか。「力と愛と健全な思い」の霊をもってその火を再び燃えたたせ,偽善のない信仰を保つことがパウロの勧めです。「終わりの日」には危機の時代が訪れ,種々の非行や偽りの教えの問題が生じます。特に若い人々,そして他のすべての人が『すべての事に冷静を保ち,自分の奉仕の務めを十分に果たす』ことが強く求められるのはそのためです。―テモテ第二 3:15; 1:5-7; 3:1-5; 4:5。

12 (イ)パウロは王国の胤にどのように注目していますか。彼はどんな希望を言い表わしましたか。(ロ)今日の神のしもべはどうしたらパウロと同じ精神態度を抱けますか。

12 差し伸べられている賞は闘い取る価値のあるものです。(テモテ第二 2:3-7)この点に関連してパウロは王国の胤のことを取り上げ,こう述べています。「わたしが良いたよりとして宣べ伝えたとおり,イエス・キリストが死人の中からよみがえらされたこと,またダビデの胤に属するかたであることを覚えていなさい」。その胤と結びついていること,それがパウロの希望でした。さらにパウロは,自分の処刊の時が近づいていることに関し,それをむしろ勝利のことばでこう語っています。「今からのち,義の冠がわたしのために定め置かれています。それは,義なる審判者である主が,かの日に報いとしてわたしに与えてくださるものです。しかし,わたしだけにではなく,その顕現を愛してきたすべての者に与えてくださるのです」。(テモテ第二 2:8; 4:8)自分の長年の忠実な奉仕を振り返って同じように言える人はほんとうに幸福ではありませんか。しかし,そのためには今忠誠を保って奉仕し,イエス・キリストの顕現に対する愛を示し,次のように書いたパウロと同じ確信を実証することが必要です。「主はわたしをあらゆる邪悪な業から救い出し,ご自分の天の王国のために救ってくださるでしょう。彼に栄光がかぎりなく永久にあらんことを。アーメン」― テモテ第二 4:18。

「『肉なる者はみな草のごとく,その栄光はみな草の花のようである。草は枯れ,花は落ちる。しかしエホバの語られることばは永久に存続する』とあるからです。そして,これが,すなわち,あなたがたに良いたよりとして宣明されたことが,その『語られることば』なのです」― ペテロ第一 1:24,25。

[脚注]

a モーゼス・ハダス編「タキツス全集」,1942年版,380,381ページ。

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