崇拝の家を速やかに建てる
毎日雨が降り続いて,天気が心配されました。それでも,茨城県那珂湊市の建設現場で働く人々は,建物の基礎のコンクリート打ちが予定されている3月15日を目指して,雨の中,下準備を続けました。その現場は王国会館と呼ばれる,地元のエホバの証人が崇拝のために毎週集会を開く建物の建設予定地でした。
雨天をついて下準備を行なったのにはわけがありました。3月15日に基礎工事を終えていないと,3月21日から24日に予定されている4日間の速成建設に間に合わないのです。120人以上の人がゆったり座われ,会議室などもそろった,建坪で50坪を超える会館を,わずか4日で建てる計画になっていました。建設に加わる関東一円のエホバの証人の熟達した建設技能者たちは,その4日間に合わせて各々の仕事の予定を調整していたので,速成建設の日付を動かすわけにはゆかないのです。
コンクリートを流し込む予定の3月15日が来ました。その日は快晴で作業は順調に進みました。那珂湊会衆の成員はその日が晴れたことを大変ありがたく思いました。翌日からまた雨の日が続いたからです。
速成建設
3月21日になり,建設技能者に加えて,大勢の自発奉仕者たちがやって来ました。現場の掃除を手伝ったり,食事を提供したりする人もいます。これらの人々は,給食・清掃・運送・宿泊などの部門で働くよう割り当てられており,建設計画はよく組織され円滑に進められました。当日も雲が垂れ込め,天候は不順でしたが,一致協力して働く人々の熱意に水を差すものは何もありませんでした。大工・屋根の取り付け・配管・電気工事などの作業が協力のうちに進められました。二日目には暴風雨になり作業が中断され,完成は1日遅れたものの,実質4日で王国会館が建ち上がり崇拝の家として使用できるようになりました。
近所の人々は大勢の働き人が秩序正しく協力して作業を進めるのを見て驚き,「こんなに大勢の働き人を雇うのでは,工賃が大変でしょう」と言いました。郵便配達の人は,あまりに速く建設が進むのを見て,来るたびに驚きの声を上げました。
地区建設委員会
わずか4日で,これだけの規模の建物が協力のうちに建てられた背後には,その計画全体を指導した地区建設委員会の存在がありました。実際のところ那珂湊での速成建設は,昨年9月に組織された関東地区建設委員会の最初の仕事でした。関東地区建設委員会は,増加し続けるエホバの証人のための崇拝の家の建設を促進する目的で設けられました。効率的に,立派な王国会館を短期間で建てるため,アメリカにある,ものみの塔協会の世界本部から幾つものモデルプランの図面が送られ,そのうちの三つがすでに日本語に訳されています。那珂湊会衆もモデルプランの一つを選び,それに基づいて建設が進められました。
今後,関東地区建設委員会は1か月につき一つの王国会館を建てる目標を持っています。すでに5月には大田原市で,6月には東金市で速成の王国会館の建設が行なわれました。同様の地区建設委員会が日本中に合計八つ設立されていますから,日本各地のどこに住んでおられても,わずか数日のうちに崇拝の家が建てられるのを目撃できるかもしれません。
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新しい王国会館で集会を楽しむ那珂湊会衆の人々