招待ビラの裏側
◇ アメリカ,イリノイ州の巡回大会で,エホバの証者が話した経験。「私はカトリックの家庭に生まれ,小さい頃から教会に通いましたが,なにか欠けているものがあるような気がして,結局はどこにも行かなくなりました。数年前,仕事から家にかえると,エホバの証者の公開講演を宣伝するビラがおいてありました。正直のところ,講演の題にも,エホバの証者という名前にもあまり興味を感じませんでした。
エホバの証者について聞いたこともなく,エホバとはだれのことかさえ知りませんでした。しかし,ビラの裏には『聖書をどのくらいごぞん知ですか』という質問があって,これが私の注意をひきました。私は以前から聖書を知りたいと思っていましたので,早速,『新世界訳聖書』を注文するために小切手と手紙を書き,夕飯の支度をする前に投函しました。聖書が届き,その後土曜日の朝にエホバの証者がたずねて来ました。話しているうちに,相手はかなり聖書を知っているなと感じました。自分が聖書を勉強したいと思っている事をのべ,すぐに聖書研究が始まりました。エホバの証者が帰った後,主人は肩をすくませて,『私をこの人たちと一緒にしないでくれよ』,と言いました。『この人たち』と言っても自分は何も知らないくせにと思いながら,その日一日かかって『神を真とすべし』の本をほとんど読みあげました。翌朝,主人に私が読んだ宗教に関する本の中で,なにかつかむところがあったのはこれだけですと言いました。まもなく主人も研究に加わるようになりました。その間に母の死がありました。『勉強するのをもう止めなさい。母が死んだり,聖書を勉強したりするから,このごろあなたは少し変よ。これから,私が来てはげましてあげるから』,と言ったのは姉でした。しかし,その晩,姉に『神を真とすべし』を配布し,翌週から姉の勉強を始めました。その研究はずっと続き,姉は私と共にエホバに献身し,同じ日にバプテスマを受けました。
『この人たち』と関わりを持ちたくないと言っていた主人も,その後15ヵ月ほどしてバプテスマを受けました。私のところへ生命の言葉を伝えるためにエホバが人を遣わし,留守中にもだれかがドアのすき間に招待ビラを入れていってくれた事に深く感謝しています」。