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使徒の活動 注釈 5章新世界訳聖書 (スタディー版)
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杭: または,「木」。ギリシャ語クシュロン(直訳,「木」)はここで,ギリシャ語スタウロス(「苦しみの杭」と訳される)と同じ意味で使われていて,イエスがくぎ付けにされた刑具を表している。ギリシャ語聖書で,ルカ,パウロ,ペテロはクシュロンという語をこの意味で合計5回使っている。(使徒 5:30; 10:39; 13:29。ガラ 3:13。ペ一 2:24)セプトゥアギンタ訳でクシュロンは,申 21:22,23の「あなたがその人を杭に掛けた」という文で,対応するヘブライ語エーツ(「木」,「木材」,「木切れ」という意味)の訳として使われている。パウロはガラ 3:13でこの聖句を引用し,「杭に掛けられる人は皆,災いを被っている」という文で,クシュロンを使った。このギリシャ語はヘブライ語エーツに対応するアラム語アーの訳としてセプトゥアギンタ訳のエズ 6:11(エスドラス書第一6:31,LXX)でも使われている。そこでは,ペルシャの王の布告に従わない人は,「自分の家から引き抜かれた材木にはりつけにされ」るとある。聖書筆者がクシュロンをスタウロスと同じ意味で使っていることは,イエスが横木のない真っすぐな杭で処刑されたことをさらに示す証拠となっている。それがこのような場合に使われるクシュロンの意味だからである。
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