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水泳は有益か目ざめよ! 1972 | 7月22日
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つまり,水の中であお向けになることだ。耳は水中にはいるが,鼻と口は水面上にある。両腕を広げて,両手で櫓をこぐような動作を少し行なうとよい。呼吸は通常どおりにする。足が水面から沈まないよう時々水を軽くけるとよい。
あるいは,浮いたままでいるもう一つの方法は,水中で垂直の姿勢をとり,少し前かがみになる。肩から力を抜いて両腕をおろしてみるとよい。驚くかもしれないが,たいていの人は沈まない。手足を動かさなくても,頭が水面下に少し沈む程度で,からだは依然として浮くものだ。しかし,15秒かそこらのちに空気が必要になったら,どうすればよいのだろうか。
水中で鼻から空気を吐き出しながら頭を上げるのだ。そのさい,足を上げて足の裏で水を下方にけりながら伸ばす。また,楽な仕方で両腕を頭の前で交差させるとよい。そして,顔が水面上に出たなら,呼吸ができる。
空気を吸ったなら,顔を下に向け再び頭を水中に沈め,手をからだの横へやる。再び空気が必要になるまでからだを楽にし,それから同じことを繰り返すわけだ。片腕が折れ,ひどいやけどをしたある男の人は,このような方法で5時間も浮いていた。そして,ついに救助された。
用心は肝要,益を享受する
水泳は娯楽や健康という面で少なからぬ益がある。命を救う手段ともなり,また水泳をいっそう楽しむ方法ともなる,楽な泳ぎ方を知っておくのはよいことである。しかし同時に,自己過信に陥って水中で危険を冒したり,安全のための規則を無視したりするようなことは決してしてはならない。
食事の直後には絶対に泳いではならない。さもないと,激しい胃けいれんを起こす場合があるからだ。そのために溺死した優秀な泳ぎ手さえいた。ひとりで泳いではいけない。いざというときに助けることのできる人といっしょにいるとよい。水中や水の近くに小さい子どもをひとりだけで放置するようなことは決してすべきではない。子どもはひと声も上げずにおぼれることがある。ボートで出かけるときには,いつも救命胴衣を身に着けることだ。万一の場合,それは命を救う手だてとなるからだ。知らない場所では決して水中にもぐったり飛び込んだりしてはならない。まず最初によく調べて,十分に深いかどうか,隠れた岩や木材がないかなどを確認することだ。
用心は肝要である。アメリカの場合,事故死の原因のうち溺死は第二の大きな死因となっているという重大な事実を考えてもらいたい。水泳のさまざまな益を享受してもらいたいが,悲劇を起こして水泳の楽しみを台なしにしてはならない。
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婚礼用の衣裳目ざめよ! 1972 | 7月22日
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婚礼用の衣裳
● 中東でかつて広く行なわれていた一つの興味深い風習を考えると,マタイ伝 22章11-13節のイエスのことばを理解する助けとなる。その句の中でイエスは,婚礼の招待客に礼服が与えられたことを述べている。西洋の影響を受けて,ある種の風習が変えられる以前に聖書の土地を旅行した人々の報告によれば,婚礼の祝宴に出席した人々には婚礼用の礼服が与えられた。その礼服は,各自の衣服の上にかける,ゆったりした袖のついた長い外衣であった。
生粋のあるシリア人は,高価ではないが,はなやかな色彩のそうした衣裳を花婿の父親が準備した,と報じている。それはふさわしい装いをしていない貧しい人がやって来る場合に備えて用意されていた。もし招待客のだれかがその衣裳をつけていないなら,祝宴の主催者はその人をとがめることができた。
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