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イエス 道,真理,命
イ道 43章 106ページ–111ページ 5節
イエスが舟の中に座って,ガリラヤの海の岸に集まった人たちを教えているところ

43章

王おう国こくに関かんする例たとえ

マタイ 13:1-53 マルコ 4:1-34 ルカ 8:4-18

  • イエスは王おう国こくに関かんする例たとえを話はなす

イエスがパリサイ派はの人ひとたちに強つよい警けい告こくを与あたえたのは,カペルナウムにいた時ときのようです。その日ひの続つづく出で来き事ごとを見みてみましょう。イエスは家いえを出でて,近ちかくのガリラヤの海うみまで歩あるいていきます。するとそこでも人ひと々びとが集あつまってきます。イエスは舟ふねに乗のって少すこし岸きしから離はなれ,天てんの王おう国こくについて教おしえ始はじめます。その際さい,たくさんの例たとえを使つかいます。イエスはみんながよく知しっている場ば面めんや物もの事ごとを題だい材ざいにして話はなします。そのため,王おう国こくに関かんするさまざまな点てんが理り解かいしやすくなります。

イエスはまず,種たねをまく人ひとの話はなしをします。まかれた種たねの幾いくらかは道みち端ばたに落おち,鳥とりに食たべられてしまいました。また,ある種たねは土つちが深ふかくない岩いわ地じに落おちます。根ねは出でるものの深ふかくまで伸のびず,結けっ局きょく,太たい陽ようの熱ねつに焼やかれ枯かれてしまいました。ある種たねはいばらの間あいだに落おちます。しかし,すぐにいばらが新しん芽めの成せい長ちょうを妨さまたげてしまいました。別べつの種たねは良よい土つちに落おちて,「ある種たねは100倍ばい,ある種たねは60倍ばい,ある種たねは30倍ばいの実みを付つけました」。(マタイ 13:8)

イエスは次つぎに,天てんの王おう国こくを種たねの成せい長ちょうに例たとえます。種たねは人ひとが寝ねていても起おきていても成せい長ちょうしていきます。それが「どのようにしてかを人ひとは知しりません」。(マルコ 4:27)種たねは自し然ぜんに成せい長ちょうを続つづけて実みを結むすび,やがて収しゅう穫かくできるようになります。

イエスは種たねまきについての3つ目めの例たとえを語かたります。ある人ひとが小こ麦むぎの良よい種たねをまきますが,「人ひと々びとが眠ねむっている間あいだに」敵てきが小こ麦むぎの間あいだに雑ざっ草そうをまいていきました。種たねをまいた人ひとの奴ど隷れいは雑ざっ草そうを引ひき抜ぬいてもよいか尋たずねます。するとその人ひとは言いいます。「いいえ,雑ざっ草そうを抜ぬく際さいに小こ麦むぎも一いっ緒しょに引ひき抜ぬくといけません。収しゅう穫かくまで両りょう方ほうとも一いっ緒しょに成せい長ちょうさせておきなさい。収しゅう穫かくの季き節せつになったら,刈かり取とる者ものたちにこう言いいましょう。まず雑ざっ草そうを抜ぬき,焼やくために縛しばって束たばにし,それから小こ麦むぎを倉くらに集あつめなさい,と」。(マタイ 13:24-30)

イエスの話はなしを聞きく人ひとの多おおくは農のう業ぎょうに通つうじています。それでイエスは,よく知しられていた小ちいさなからしの種たねについて話はなします。その種たねは成せい長ちょうし,鳥とりが来きて枝えだの間あいだに巣すを作つくれるほどの大たい木ぼくになります。この種たねについてイエスは,「天てんの王おう国こくはからしの種たねのようです。人ひとがそれを畑はたけに植うえました」と話はなします。(マタイ 13:31)イエスは植しょく物ぶつ学がくの話はなしをしているのではありません。王おう国こくの目め覚ざましい成せい長ちょうについて説せつ明めいし,とても小ちいさいものがいかに成せい長ちょうし拡かく大だいしていくかを話はなしているのです。

さらにイエスは,多おおくの人ひとにとって身み近ぢかな例れいを取とり上あげます。イエスは天てんの王おう国こくを,女じょ性せいが「3セアの麦むぎ粉こと混まぜ」た「パン種だね」に例たとえます。(マタイ 13:33)生き地じの中なかのパン種だねは人にん間げんの目めから隠かくされていますが,全ぜん体たいに広ひろがり,生き地じを発はっ酵こうさせます。ですから,パン種だねは大おおきな成せい長ちょうをもたらし,目めには見みえない変へん化かを生しょうじさせます。

これらの例たとえを話はなしてからイエスは人ひと々びとを解かい散さんさせ,滞たい在ざいしている家いえに戻もどります。その後ごしばらくすると,弟で子したちが例たとえの意い味みを知しりたくてイエスの所ところにやって来きます。

イエスの例たとえから学まなぶ

弟で子したちはイエスが例たとえを使つかって話はなすのを以い前ぜんにも聞きいたことがありますが,1度どにこれほど多おおくの例たとえを聞きくのは初はじめてです。それでイエスに,「例たとえを使つかって話はなすのはどうしてですか」と質しつ問もんします。(マタイ 13:10)

イエスがそのようにする理り由ゆうの1つは,聖せい書しょ預よ言げんを実じつ現げんするためです。マタイによる書しょには,こう説せつ明めいされています。「イエスはこれら全すべてを例たとえで群ぐん衆しゅうに話はなした。実じっ際さい,例たとえを用もちいないで話はなそうとはしなかった。それは預よ言げん者しゃを通とおしてこう語かたられた事ことが実じつ現げんするためである。『私わたしは口くちを開ひらいて例たとえを語かたり,始はじめから隠かくされてきた事こと柄がらを言いい広ひろめる』」。(マタイ 13:34,35。詩し編へん 78:2)

しかし,イエスが例たとえを使つかった理り由ゆうはほかにもあります。例たとえによって,人ひと々びとの心こころの中なかが明あきらかになるのです。ほとんどの場ば合あい,人ひとがイエスに関かん心しんを持もつのは,イエスが優すぐれた話はなしをし,奇き跡せきを行おこなうからにすぎません。自じ分ぶんを捨すてて従したがうべき自じ分ぶんの主しゅと考かんがえているわけではありません。(ルカ 6:46,47)物ものの見み方かたや生いき方かたを変かえるよう要よう求きゅうされるのは好このみません。イエスの言こと葉ばにそこまで影えい響きょうされるのは,嫌いやなのです。

イエスは弟で子したちの質しつ問もんに答こたえてこう言いいます。「ですから,例たとえを使つかって話はなすのです。あの人ひとたちは見みていても無む駄だに見み,聞きいていても無む駄だに聞きき,意い味みを悟さとらないからです。この人ひとたちについて,イザヤの次つぎの預よ言げんが実じつ現げんしています。……『この民たみは心こころが鈍にぶくな[った]』」。(マタイ 13:13-15。イザヤ 6:9,10)

イエスはさまざまな土の上にまかれた種の例えについて弟子たちに説明する

しかし,その言こと葉ばはイエスの話はなしを聞きいていた人ひと全すべてに当あてはまるわけではありません。イエスはこう説せつ明めいします。「あなたたちの目めは見みるので,また耳みみは聞きくので,幸しあわせです。はっきり言いいますが,多おおくの預よ言げん者しゃや正ただしい人ひとは,あなたたちが見みているものを見みたいと願ねがいながら見みず,あなたたちが聞きいている事ことを聞ききたいと願ねがいながら聞きかなかったのです」。(マタイ 13:16,17)

12使し徒とと他たの忠ちゅう実じつな弟で子したちの心こころは決けっして鈍にぶくありません。それでイエスはこう話はなします。「あなたたちは,天てんの王おう国こくの神しん聖せいな秘ひ密みつを理り解かいすることを許ゆるされていますが,あの人ひとたちは許ゆるされていません」。(マタイ 13:11)彼かれらが心こころから理り解かいしたいと思おもっていたので,イエスは種たねをまく人ひとの例たとえについて説せつ明めいします。

「種たねは神かみの言こと葉ばです」とイエスは言いいます。(ルカ 8:11)そして,土つちは心こころです。この点てんが,イエスの例たとえを理り解かいする鍵かぎです。

踏ふみ固かためられた道みち端ばたの土つちにまかれた種たねについて,イエスはこう説せつ明めいします。「信しんじて救すくわれることがないよう,悪あく魔まがやって来きて,その心こころから神かみの言こと葉ばを取とり去さります」。(ルカ 8:12)岩いわ地じにまかれた種たねはどうですか。イエスの説せつ明めいによると,それは,神かみの言こと葉ばを喜よろこんで受うけ入いれたものの,その言こと葉ばが心こころに深ふかく根ね付づかない人ひとのことです。「その言こと葉ばのために苦く難なんや迫はく害がいが生しょうじると」,信しん仰こうを捨すててしまいます。家か族ぞくや他たの人ひとたちからの反はん対たいなどによって「試し練れんの時じ期き」が来くると,離はなれ去さってしまいます。(マタイ 13:21。ルカ 8:13)

いばらの間あいだにまかれた種たねについてはどうですか。イエスによれば,それは神かみの言こと葉ばを聞きいた人ひとたちのことです。しかし彼かれらは,「今いまの体たい制せいでの心しん配ぱい事ごとや富とみの誘ゆう惑わく」に圧あっ倒とうされてしまいます。(マタイ 13:22)神かみの言こと葉ばをいったん心こころに入いれたものの,ふさがれ,実みのらなくなります。

イエスは最さい後ごに良よい土つちについて話はなします。良よい土つちの人ひとは,神かみの言こと葉ばを聞きいて受うけ止とめ,神かみの言こと葉ばの意い味みを理り解かいします。その結けっ果かどうなりますか。その人ひとたちは「実み」を結むすびます。年ねん齢れいや健けん康こう状じょう態たいなど状じょう況きょうは人ひとによって違ちがうため,皆みなが同おなじことを行おこなえるわけではありません。生うみ出だす実みは,100倍ばい,60倍ばい,30倍ばいといろいろです。しかし,「非ひ常じょうに良よい心こころで神かみの言こと葉ばを聞きいた後のち,それをしっかり保たもち,耐たえ忍しのんで実みを結むすぶ人ひと」は,神かみに仕つかえることの祝しゅく福ふくを味あじわえるのです。(ルカ 8:15)

イエスの教おしえの意い味みを理り解かいしたいと思おもってイエスの元もとに来きた弟で子したちは,こうした説せつ明めいを聞きき,胸むねを躍おどらせたに違ちがいありません。例たとえの概がい要ようだけではなく,もっと深ふかい真しんの意い味みを理り解かいできたのです。イエスが弟で子したちに例たとえの意い味みを教おしえたのは,弟で子したちが他たの人ひとに真しん理りを伝つたえられるようにするためでした。それでイエスはこう言いいます。「ランプを持もってきて,籠かごの下したやベッドの下したに置おいたりしますか。台だいの上うえに置おきませんか」。そして,「聞きく耳みみのある人ひとは聞ききなさい」と言いいます。(マルコ 4:21-23)

さらに多おおくのことを教おしえられる

種たねをまく人ひとの例たとえの説せつ明めいを聞きいた弟で子したちは,もっと学まなびたいと願ねがい,「畑はたけの雑ざっ草そうの例たとえを説せつ明めいしてください」と言いいます。(マタイ 13:36)

この質しつ問もんから,弟で子したちの態たい度どと浜はま辺べにいる人ひとたちの態たい度どには大おおきな違ちがいがあると分わかります。それらの人ひとたちはただ聞きくだけで,例たとえにはどんな意い味みがあるのか,自じ分ぶんたちにどう関かん係けいするのかを知しりたいという気き持もちがないようです。イエスの例たとえの概がい要ようを知しるだけで満まん足ぞくしているのです。イエスは,浜はま辺べにいる人ひとたちと,もっと学まなびたいという意い欲よくを持もってイエスの所ところに来きた弟で子したちとを比ひ較かくし,こう言いいます。

「聞きいている事こと柄がらに注ちゅう意いを払はらいなさい。あなたたちは自じ分ぶんが量はかって与あたえるのと同おなじはかりで与あたえられます。しかも,さらに加くわえられます」。(マルコ 4:24)弟で子したちはイエスから聞きく事こと柄がらに注ちゅう意いを払はらっています。イエスに大おおきな関かん心しんを向むけているので,さらに多おおくの教おしえと理り解かいを与あたえられます。実じっ際さいイエスは,小こ麦むぎと雑ざっ草そうの例たとえの意い味みを尋たずねてきた弟で子したちに対たいし,こう答こたえます。

「良よい種たねをまく人ひとは人ひとの子こです。畑はたけは世せ界かいです。良よい種たねは王おう国こくの子こたち,雑ざっ草そうは邪じゃ悪あくな者ものの子こたち,雑ざっ草そうをまいた敵てきは悪あく魔まです。収しゅう穫かくは体たい制せいの終しゅう結けつで,刈かり取とる者ものは天てん使したちです」。(マタイ 13:37-39)

このような詳くわしい説せつ明めいをした後のち,イエスは例たとえの結けつ末まつを話はなします。体たい制せいの終しゅう結けつの際さい,刈かり取とる者ものつまり天てん使したちは,雑ざっ草そうのような偽にせのクリスチャンを本ほん当とうの「王おう国こくの子こたち」から分わけます。それら「正ただしい人ひとたち」は集あつめられ,最さい終しゅう的てきに「父ちちの王おう国こくで」明あかるく輝かがやきます。「邪じゃ悪あくな者ものの子こたち」はどうなりますか。彼かれらの迎むかえる結けつ末まつは滅ほろびであるため,彼かれらは「泣なき悲かなしんだり歯はぎしりしたり」します。(マタイ 13:41-43)

ある人が,野原に隠された宝を見つけたところ
旅商人が高価な真珠を見つけたところ

イエスは弟で子したちのために,さらに3つの例たとえを話はなします。1番ばん目めはこうです。「天てんの王おう国こくは野の原はらに隠かくされた宝たからのようです。ある人ひとがそれを見みつけてから隠かくしました。そして,喜よろこびのあまり,行いって持もち物ものを全すべて売うり,その野の原はらを買かいます」。(マタイ 13:44)

イエスは話はなしを続つづけます。「また,天てんの王おう国こくは立りっ派ぱな真しん珠じゅを探さがし求もとめる旅たび商しょう人にんのようです。高こう価かな真しん珠じゅ1つを見みつけると,去さっていって持もち物もの全すべてを即そく座ざに売うり,その真しん珠じゅを買かいました」。(マタイ 13:45,46)

イエスは両りょう方ほうの例たとえで,真しんに価か値ちのあるもののために進すすんで犠ぎ牲せいを払はらう態たい度どを強きょう調ちょうしています。商しょう人にんは高こう価かな真しん珠じゅを手てに入いれるため,「持もち物もの全すべて」をすぐに売うりました。弟で子したちにとってこれはよく理り解かいできる例たとえです。また,野の原はらに隠かくされた宝たからを見みつけた男だん性せいは,それを手てに入いれるために「持もち物ものを全すべて売うり」ました。どちらの例たとえにおいても,貴き重ちょうなものは手ての届とどく所ところにありました。それは手てに入いれるべき,また大たい切せつにすべきものでした。私わたしたちも神かみの導みちびきを得えるには,同おなじような犠ぎ牲せいを払はらわなければなりません。(マタイ 5:3)イエスがこれらの例たとえを語かたって聞きかせた人ひとたちの中なかには,神かみの導みちびきを得えるため,またイエスの真しんの弟で子しとなるため,喜よろこんで大おおきな努ど力りょくを払はらってきた人ひとがいます。(マタイ 4:19,20; 19:27)

最さい後ごに,イエスは天てんの王おう国こくをあらゆる種しゅ類るいの魚さかなを集あつめる引ひき網あみに例たとえます。(マタイ 13:47)魚さかなが分わけられる時とき,良よいものは入いれ物ものに集あつめられ,良よくないものは投なげ捨すてられます。体たい制せいの終しゅう結けつの時ときにも,同おなじことが起おきます。天てん使したちは正ただしい人ひとたちから邪じゃ悪あくな人ひとたちをより分わけるのです。

漁師が魚のたくさん入った引き網を引いているところ

イエス自じ身しん,最さい初しょの弟で子したちを「人ひとを集あつめる漁りょう師し」として招まねいた時とき,いわば漁りょうをしていました。(マルコ 1:17)しかしイエスは,引ひき網あみに関かんする例たとえが将しょう来らいの「体たい制せいの終しゅう結けつの時とき」に当あてはまる,と説せつ明めいします。(マタイ 13:49)ですから,イエスの話はなしを聞きいていた使し徒とと他たの弟で子したちは,将しょう来らい,驚おどろくような事こと柄がらが生しょうじることを理り解かいできました。

舟ふねの上うえで話はなされた例たとえを聞きいた使し徒とと他たの弟で子したちは,満みたされた気き持もちになります。イエスは「弟で子したちだけの時ときに全すべての説せつ明めいをし」ました。(マルコ 4:34)イエスは「宝ほう物もつ庫こから新あたらしい物ものと古ふるい物ものを取とり出だす家いえの主しゅ人じん」のようです。(マタイ 13:52)例たとえを話はなす際さいにも教おしえる能のう力りょくを見みせびらかしていません。むしろ,貴き重ちょうな宝たからのような真しん理りを弟で子したちに喜よろこんで伝つたえています。本ほん当とうに優すぐれた「教きょう師し」です。

  • イエスはいつ,どんな場ば所しょで,いろいろな例たとえを使つかって話はなしましたか。

  • イエスは最さい初しょにどんな5つの例たとえを話はなしますか。

  • イエスが例たとえを使つかって話はなすのはなぜですか。

  • イエスの弟で子したちは他たの人ひとたちと違ちがっていることを,どのように示しめしましたか。

  • イエスは種たねをまく人ひとの例たとえについてどのように説せつ明めいしましたか。

  • 小こ麦むぎと雑ざっ草そうの例たとえに出でてくる,種たねをまく人ひと,畑はたけ,良よい種たね,雑ざっ草そう,敵てき,収しゅう穫かく,刈かり取とる者ものは,それぞれ誰だれを,または何なにを表あらわしますか。

  • イエスはさらにどんな3つの例たとえを話はなしましたか。それらの例たとえから何なにを学まなべますか。

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