10. もっと辛抱強い人になるためにどんなことができますか。
10 祈る。辛抱強さは聖なる力が生み出すものの1つです。(ガラ 5:22,23)それで,辛抱強さを身に着けられるよう,聖なる力を求めてエホバに祈ることは大切です。辛抱強さが必要となる状況に直面したなら,聖なる力を「求め続け」ましょう。(ルカ 11:9,13)エホバと同じように物事を見ることができるよう祈ることも大切です。祈ったなら,自分でもできる限りのことをしていきましょう。祈って努力すればするほど,もっと辛抱強い人になれるようエホバが助けてくださいます。
11-12. エホバはどのように辛抱強さを示してきましたか。
11 聖書中の例をじっくり考える。聖書には,辛抱強さを示した人たちの例がたくさん載せられています。そうした記録についてじっくり考えると,辛抱強さをどのように示したらよいかを学ぶことができます。まず,最も辛抱強い方であるエホバの手本について考えてみましょう。
12 エデンの園で,サタンはエホバの名前を傷つけました。エホバが公正で愛情深い統治を行うことに疑問を差し挟んだのです。でもエホバは,サタンをすぐに滅ぼすことはしませんでした。ご自分の統治が一番良いものであることを証明するには時間がかかることを知っていたので,辛抱と自制を示しました。そして,悪く言われるのをこれまでずっと忍耐してきました。さらに,もっと多くの人が永遠の命を得られるようにも辛抱してきました。(ペテ二 3:9,15)そのおかげで何百万人もの人がエホバを知るようになっています。エホバの辛抱によってどんな良い結果が見られているかを考えると,エホバが悪を終わらせる時まで喜んで待つことができるでしょう。
13. イエスはエホバの辛抱強さにどのように見習いましたか。(写真も参照。)
13 イエスは地上にいた時,エホバに見習って辛抱強さを示しました。そうするのが難しいこともありました。イエスが接した相手の中には,律法学者やパリサイ派など,偽善的な人たちもいたからです。(ヨハ 8:25-27)でも,イエスはエホバを見習って,すぐに怒ったりはしませんでした。侮辱的な言葉に言い返したり,挑発に乗ったりすることもありませんでした。(ペテ一 2:23)イエスはいろいろな試練を経験しましたが,文句を言うことなく忍耐しました。それで聖書は,敵対的な言葉を言われてもじっと耐えたイエスのことをよく考えるように,と勧めています。(ヘブ 12:2,3)私たちも,エホバに助けていただくなら,どんな試練があっても忍耐することができます。
14. アブラハムの辛抱強さから何が学べますか。(ヘブライ 6:15)(写真と挿絵も参照。)
14 思っていたより終わりが来るのが遅いとか,自分が生きている間に終わりを見ることはできないかもしれない,と考えることがありますか。辛抱強く待ち続けるのに何が助けになるでしょうか。アブラハムの例を考えてみましょう。アブラハムが75歳でまだ子供がいなかった時,エホバは「私は,あなたから偉大な国民が生まれるように[する]」と約束しました。(創 12:1-4)アブラハムはこの言葉が実現するのを見たでしょうか。一部は見ることができました。ユーフラテス川を渡ってから25年後に息子イサクが生まれ,その60年後に孫のエサウとヤコブが生まれました。(ヘブライ 6:15を読む。)アブラハムは,自分の子孫が偉大な国民となって約束の地を受け継ぐのを見ることはありませんでした。とはいえ,アブラハムはエホバとの強い友情を築くことができました。(ヤコ 2:23)そして復活してきた時には,自分の示した信仰と辛抱強さが全ての人の祝福につながったことを知って,どんなにか喜ぶことでしょう。(創 22:18)何が学べますか。私たちもエホバの約束全てが実現するのを今すぐに見ることはできないかもしれません。でも,アブラハムのように辛抱するなら,エホバは今だけでなく,新しい世界でさらに大きな祝福を与えてくださいます。(マル 10:29,30)
15. 個人研究でどんなことを考えることができますか。
15 聖書には,辛抱を示した人たちの記録がたくさん収められています。(ヤコ 5:10)そうした人たちの手本について調べてみるのはどうですか。 例えばダビデは,とても若い時に王として選ばれましたが,実際に統治を始めることができたのは何年も後になってからでした。シメオンとアンナは,メシアが来るのを待ちつつエホバに忠実に仕えました。(ルカ 2:25,36-38)こうした記録を調べるときには,次のような点を考えてみましょう。「この人が辛抱できたのはどうしてだろうか。辛抱してどんな良い結果になっただろうか。どのように倣えるだろうか」。辛抱できなかった人たちの例からも学ぶことができます。(サム一 13:8-14)こう考えてみましょう。「この人が辛抱できなかったのはどうしてだろうか。どんな悪い結果になっただろうか」。
16. 辛抱強くあるなら,どんな良い結果になりますか。
16 どんな良い結果になるかを考える。辛抱強くあるなら,もっと幸せで穏やかな気持ちになれます。心身共に健康でいられます。他の人に辛抱強く接するなら,より良い関係を築くことができます。会衆の絆はもっと強くなります。誰かに傷つけられたとしてもすぐに怒らないようにするなら,問題を悪化させずに済みます。(詩 37:8,脚注。格 14:29)そして何よりも大切な点として,天のお父さんエホバに倣うことができ,エホバとの絆を強めることができます。
17. どんなことを努力したいと思いますか。
17 辛抱強さは素晴らしい性質です。辛抱強くあるなら,自分にとっても周りの人にとっても良い結果になります。いつも示すのは簡単ではないかもしれませんが,エホバが助けてくれます。新しい世界を待つ間,次のように述べた詩編作者と同じ確信を持つことができます。「エホバの目は神を畏れる人に向けられている。神から揺るぎない愛を示されるのを待つ人に」。(詩 33:18)辛抱強い人になることを目指して,これからも努力し続けていきましょう。