過ぐる1年の際立った事柄
神聖な奉仕に携わる祝福された1年を終え,わたしたちは大いに歓ぶことができます。神がご自分の僕たちを用いて行なっておられる膨大な業の際立った点を振り返る時,「あなたはご自分の善良さをもって年に冠を授けられました」と心から言うことができます。―詩 65:11。
「良いたより」がインターネットに
エホバの証人であるわたしたちは,終わりが来る前に,『王国のこの良いたよりを,あらゆる国民に対する証しのために,人の住む全地で宣べ伝える』責任を真剣に受け止めています。(マタ 24:14)近年,技術の目覚ましい進歩により,「王国の言葉」を速やかに広めることが可能になっています。(マタ 13:18-23)過去11年にわたって,エホバの証人は公式ウェブサイトwww.watchtower.orgを用いて,霊的な情報を一般の人々にインターネット上の電子データの形で提供してきました。このウェブサイトを訪れる人は,314の言語のいずれかで聖書の真理について知ることができます。参照できる見出しには,「信条と活動」,「最新のトピック」,「神およびあなたの将来」,「医療と血液」,「入手可能な出版物」などがあります。
聖書を読むためにwww.watchtower.orgにアクセスする人も大勢います。毎日6,300人以上が,10の言語のいずれかで「新世界訳聖書」を参照しています。このウェブサイトで好んで読まれている聖書の書は,詩編,箴言,イエスの生涯に関する福音書です。
毎週,「ものみの塔」誌や「目ざめよ!」誌の記事の幾つかは,12の言語でウェブサイトに掲載されます。それは主に,一般用の雑誌にすでに載せられた記事です。多くの人が尋ねる点として,エホバの証人が何を信じているか,集会はどのように司会され,宣べ伝える業の資金はどのように賄われているか,といった事柄があります。人々はウェブサイト上で,「エホバの証人 ― どんな人たちですか 何を信じていますか」というブロシュアーを参照することにより,それらの問いの答えが得られます。「偽りの宗教の終わりは近い!」というパンフレットは,www.watchtower.orgに252の言語で載せられており,それには手話の五つの言語による短縮版の映像も含まれています。
インターネットで真理を見つける
インターネット上にこれらの出版物が掲載されることによって,どんな結果が得られたでしょうか。毎日平均6万人以上がwww.watchtower.orgにアクセスしているのです。その中には,エホバの証人の数が比較的少ない土地や,わたしたちの業が禁止もしくは制限されている国に住む人も多く含まれています。それでも,真理を渇望する人は,エホバの証人のウェブサイトを通して真理の水を入手し,渇きをいやすことができるのです。
ブライアンという男性はこう述べています。「わたしは以前から聖書について知りたいと思っていましたが,友達と教会に行っても,歌を歌ったりゲームをしたりするだけでした」。ブライアンは勉強とスポーツに打ち込みました。五つの言語を学び,大学の奨学金を取得しましたが,霊的には満たされませんでした。それで真理を見いだせるよう神に祈りました。
ブライアンはさらにこう続けます。「どうしても答えを知りたかったので,インターネットからエホバの証人について調べてみることにしました。学校でエホバの証人の友達から,神の名はエホバだと聞いていたからです。それで公式ウェブサイトを開き,『神はわたしたちに何を求めていますか』のブロシュアーを読み始めました。こうしてついに答えを得たのです」。ブライアンは聖書研究を申し込み,急速に進歩し,2004年にエホバに献身しました。現在は正規開拓者として奉仕しています。ブライアンは,聖書による訓練を受け,言語能力を生かして宣教者として奉仕することを希望しています。
『神はあなた方と共におられる』
毎日,「諸国のあらゆる言語から来た」幾千人もの人がウェブサイトwww.watchtower.orgを利用しているのを知ると,胸が躍ります。一日平均94人が,インターネット上で「訪問を受けたいと思われますか」という記入欄を用いて訪問を依頼しています。―ゼカ 8:23。
デニーズという女性は,エホバの証人の信条について尋ねたいことがあったものの,地元の王国会館に行く気にはなれませんでした。その代わりにインターネットを検索することにし,www.watchtower.orgを見つけました。掲載されている情報から,真理を見いだしたと確信しましたが,聖書研究を申し込むことをためらいました。聖書の規準に合わせるためには自分を変えなければならないことが分かったからです。「訪問を受けたいと思われますか」という欄に4回記入したものの,そのたびに送信ボタンを押す勇気が出ませんでした。
2007年3月,デニーズは再度記入しました。これで5回目です。このたびは送信ボタンを押し,訪問を依頼しました。地元の会衆に連絡がなされ,長老たちはボニーという姉妹にデニーズを訪問するよう頼みました。ボニーが最初に訪問したその週のうちに,デニーズは王国会館での集会に出席し始めました。
その年の夏の終わりに,デニーズは宗教的な物品を処分し,それまで属していた宗教を脱退し,バプテスマを受けていない伝道者の資格を得ました。その後も二人の息子と共に急速に進歩し,8歳の息子は神権宣教学校に入校しました。2008年1月,デニーズはバプテスマを受けました。そして2か月後 ― 送信ボタンを押してからちょうど1年後 ― 補助開拓者として承認されました。「ウェブサイトがなかったら,この経験をお話しすることもなかったでしょう」とデニーズは言います。
2008年1月,ウェブサイトwww.jw.orgで新たなサービスが始まりました。17の言語で,特定の出版物のオーディオ版をダウンロードできるようになったのです。この備えに対する関心は非常に高く,出版物や個々の記事のダウンロードの件数は毎月100万件を超えています。多くの伝道者は,通勤や通学の途中に雑誌の朗読を聞いています。
翻訳の必要にこたえる
神に栄光を帰するよう「あらゆる国民・部族・国語」の人々に勧める際,み使いたちの支えが得られるのは本当に喜ばしいことです。(啓 14:6,7)人々がよく理解できる言語で聖書の音信に接し,心から応じられるよう助けるために,エホバの証人は現在450ほどの言語で文書を発行しています。
最近,「聖書は実際に何を教えていますか」の本が東ティモールで話されているテトゥン語で発行されましたが,十分の冊数がありませんでした。研究を始めて間もないマリアという女性は,インドネシア語の『聖書の教え』の本で学んでいましたが,テトゥン語の本を持っていませんでした。それで研究の司会者に,テトゥン語の本を二日間ぜひ貸してほしいと頼みました。その後マリアは,自分が知った事柄を興奮ぎみに話すようになりました。この本を母語で読んだマリアは,それまでインドネシア語の本で研究した時よりも,多くの真理をもっと明快に理解することができたのです。司会者は,テトゥン語の本を返してほしいとは,とても言えませんでした。マリアは研究を続け,集会にも出席しています。
ケニアでは,政治や経済の分野で通常用いられているのは英語とスワヒリ語です。しかし,幾百万という人々が好んで用いるのは,キクユ語,キカンバ語,ルオ語をはじめとする地元の言語です。それら地元の言語で文書を発行することにより,エホバの崇拝に対する関心を大いに高めることができています。シアヤ会衆がルオ語の文書を用い,ルオ語で集会を開くようになった後のことについて,長老たちはこう書いています。「兄弟たちは教えられる事柄をよく理解できるようになりました。子どもたちもよく話を聞いています。ルオ語の筋書きで講演を始めてから,集会の出席者数は60%増えました」。
ニカラグアでは,スペイン語ではなくミスキート語を話す人が少なくありません。ミスキート語の地域大会には,200人余りが出席しました。大会へ行くために大きな犠牲を払った人たちもいます。例えば,ココ川沿いの小さな町アサングに住む13人の兄弟たちは,いかだを組み,二日かけて川を下り,ワスパムの町に到着しました。それからトラックの荷台に乗せてもらい,5時間かけて大会の開かれる町まで行きました。そのグループの多くの人にとって,地域大会に出席するのはそれが初めてでした。兄弟たちは,母語でプログラムを聞けることをとても喜びました。持っていたお金はすべて大会に行くための費用にかかったので,帰りの旅費は他の出席者たちが出してくれました。
ミスキート語を話す出席者は,その大会で「聖書は実際に何を教えていますか」の本が自分たちの言語で発表され,大喜びしました。そのことを特に感謝したのは開拓者たちです。それまではスペイン語の『聖書の教え』の本を使い,節と質問をミスキート語に訳しながら研究を行なっていました。今ではどう訳すかを考える必要がなくなり,聖書の真理を教えることに集中できるようになりました。
ケチュア語は,南米のインディオの言語です。ケチュア語を話すペルーの伝道者たちから,次の手紙が寄せられました。「証言の終わりに,ケチュア語の出版物があることを家の人に話します。中には母語の文書を手にして感激し,涙を流し,本にキスする人さえいます」。ペルー支部はこう書いています。「ケチュア語が話される土地に住む兄弟の中には,大きな努力を払って感謝を表わした人たちがいます。ケチュア語の『聖書は実際に何を教えていますか』の本を読んだ一人の兄弟は,キリストの贖いの意味と価値についてようやく理解できた,と述べています。ある人たちは支部に感謝の気持ちとして,ジャガイモやパイ,何箱もの果物を送ってきました」。
エホバの組織は,太平洋の遠くの島々で用いられる言語に文書を訳すことにも力を入れています。ミクロネシアのポーンペイ島で,ある姉妹はそこで奉仕する宣教者にこのように言いました。「わたしたちも見過ごされていなかったことをエホバに感謝しているわ。それまではポナペ語の『ものみの塔』を英語より数か月遅れで受け取っていたでしょ」。姉妹は冗談交じりにこう続けています。「この分だと,島にハルマゲドンが来るのも数か月遅れになるかも,と思っていたの。でも今では,世界の他の場所と同じ時に研究できるわ。見た目も英語の雑誌と変わらずとてもきれい。統治体のお世話に本当に感謝しているわ」。
北太平洋にあるマーシャル諸島の兄弟姉妹は,マーシャル語による一般用の「ものみの塔」誌が新たに発行されたことを喜びました。兄弟たちはライフ・ストーリーを読むのが好きですが,それまで受け取っていた「ものみの塔」誌には紙面の都合で掲載されておらず,英語の雑誌を読める人から内容を教えてもらうしかありませんでした。ですから兄弟たちは,マーシャル語の一般用の版に初めてライフ・ストーリーが掲載されたことをとても喜びました。16歳の若者はこう述べています。「これまでずっと英語の雑誌に出ているライフ・ストーリーの写真だけを見て,記事を読めたらどんなにいいだろうと思っていました。これで読めるようになりました」。
ある言語の1冊の出版物が人の生き方を変えることもあります。わたしたちの業が制限されている中央アジアの一つの国では,「神はわたしたちに何を求めていますか」のブロシュアーが広く配布されています。一人の若い男性がこのブロシュアーを手に入れて読み,内容に心を動かされ,近くの川に行ってだれの手も借りずに自分一人で“バプテスマ”を受けました。聖書を学ぶ必要があることを知ると,すぐに研究を始め,やがて正しい仕方でバプテスマを受けました。今では人々に良いたよりを伝えることに多くの時間を充てています。
聖書翻訳の進展
エホバの証人は,神の言葉 聖書を宝のようにみなし,正確で明快な翻訳聖書の価値を高く評価しています。そのようなわけで,神の民は「新世界訳」の全体または一部が70余りの言語で入手できることを喜んでいます。ある言語で「新世界訳」が初めて発表される時は,だれしも胸を躍らせます。しかし,それを個人研究や会衆の集会や野外宣教で日ごとに用いる時,本当に心が動かされ,思考が形作られるのです。
ロシアの支部事務所には,ロシア語の「新世界訳」全巻に対する感謝の手紙が数多く寄せられています。ある女性はこう書いています。「これまで聖書を何度も読み通しましたが,この訳を読んでいると,聖書を初めて読むような気持ちになります。聖書の内容に感動し,時には涙があふれ,思わず身震いするほどです」。
この訳が明快であることを喜んで,次のように書いてきた人もいます。「今日,創世記 18章を読み,ぜひこの手紙を書きたいと思いました。23節から32節のアブラハムとエホバとの会話に,心を打たれました。聖書を読むのはこれで5回目ですが,この会話についてよく考えたのはこれが初めてです。アブラハムの気持ちが分かりましたし,エホバとアブラハムの言葉を真剣に“聴き”ました。エホバがよく注意を払っておられる様子に,涙が出ました。この訳によって情景を生き生きと思い描くことができました。エホバの特質が単に分かっただけでなく,じかに伝わってくるようでした」。
モスクワに住むアレシャは,こう書いてきました。「『新世界訳』全巻について,心からお礼を申し上げます。これまでの“旧約聖書”は訳が古くて難解でしたが,もう混乱しないですみます。とても簡明です」。
次のような手紙も寄せられています。「私の会社で働いているイリーナという女性に,真理について話した時のことです。初めは覚えていた幾つかの聖句を引き合いに出して話しました。しかし,聖書を開いてイエスの模範的な祈りを見せたところ,『これが“主の祈り”なんですか』と言われました。イエスの言葉を読んで,その女性は喜びで目を輝かせ,こう言いました。『すごくいいですね。なんて分かりやすいんでしょう。この祈りは今までよく聞いていましたが,意味はぜんぜん理解できませんでした。はっきりしていて,よく分かります。こういう聖書が欲しいので,わたしにも1冊ください。これと同じのです』。私は,『聖書は,本当に読みたいと思う人にしか渡していないのよ』と言いました。イリーナは真剣な様子でこう答えました。『これまで聖書を読みたいと思ったことはありませんでした。聖書は何冊か持っていたのですが,全部人に上げてしまいました。でも今は,この聖書をどうしても読みたいんです』」。
ウクライナ語の「クリスチャン・ギリシャ語聖書 新世界訳」について,一人の兄弟はこう書いています。「エホバと組織からのこのすばらしい贈り物について感謝をお伝えしたいと思います。どのページも楽しく読んでいます。この聖書をいつも持ち歩いています。言葉が平易で,よく理解できます。内容が心に響き,聖書の深い教えを容易につかめるのです」。
セルビア語とクロアチア語の聖書に対しても,同様の大きな反響がありました。クロアチアの一姉妹はこう書いています。「たいへん読みやすく,これまで長く使っていた聖書よりもはるかによく理解できます。聖書の助言が心にすっと入り,今まで以上にエホバをよく知ることができるように思います」。
2007年11月2日,統治体のジェフリー・ジャクソン兄弟はサモア語の「クリスチャン・ギリシャ語聖書 新世界訳」を発表しました。従来のサモア語聖書はあまり出回っておらず,しかも高価なため,兄弟たちは聖書が入手しやすくなったことをとても喜んでいます。ある伝道者はその聖書を何か月か使ってからこう述べました。「古い聖書では考えが埋もれているように思えましたが,新しい聖書では考えがはっきりしていて,明らかです」。
ある姉妹が聖書研究を司会した時,研究用の出版物にヤコブ 4章8節が引用されていました。その姉妹はこう言います。「すでに知っている聖句でしたが『新世界訳』から読んでみるよう家の人に勧めました。最初は別の聖句を読んでいると思ったのですが,間違ってはいませんでした。研究に参加した姉妹は驚いて,『聖句が変わってしまったわ』と言いました。エホバに『近づく』には,エホバと親しい関係を持たなければならない,ということがはっきり分かりました。従来の聖書では,その考えが示されていなかったのです。その聖句は心に響き,エホバとの緊密な関係を築きたいという願いが植えつけられました」。
中国語の「新世界訳」が発表されてからしばらく後のこと,台湾で奉仕する宣教者から次の手紙が寄せられました。「雑誌を定期的に受け取って読んでいる弁護士の男性に『新世界訳』を提供する機会がありました。その人は,なぜ新しい訳の聖書が必要なのかと尋ねました。聖句を幾つか見せるとその人はとても感心し,この新しい訳は自分が読んでいる『和合本』聖書よりも意味がつかみやすい,と言いました」。同じ宣教者は,「新世界訳」をある立法委員に提供し,その女性議員はそれを自分の事務所に置いていました。後に,エホバの証人に対して批判的なあるラジオ・キャスターがその議員の事務所に置かれた「新世界訳」を目にし,手に取って幾らか読みました。その人は「新世界訳」がとても気に入り,提供した宣教者に電話をかけ,自分用にも1冊欲しいと頼んだのです。
視力が弱いため,文字を読むことに苦労していたキルギスタンの一人の姉妹は,聖書通読を重荷に感じていました。しかし,キルギス語の「クリスチャン・ギリシャ語聖書 新世界訳」を受け取り,考えが変わりました。文が明快で分かりやすいため,聖書通読から深い満足が得られるようになったのです。
別の姉妹はこう言います。「本当にすばらしい訳です。途中でつまずかずに,すらすら朗読できます。何度も読みたくなります。真理を新たに学び直しているような気持ちです」。
ろう者のある姉妹は,統治体に次の手紙を寄せました。「マタイの福音書のアメリカ手話版がとても気に入っています。聖書の言葉が生きたものとなり,心に響いてきます。イエスのご性格,表情,優しさ,人々に対する深い愛が伝わってきます。アメリカ手話のマタイによる書が大好きです。ところで,……このほかの書の手話版も早く作っていただけないでしょうか」。
確かに,良い翻訳聖書は,神の言葉の意味を覆い隠すベールを取り除き,真理の光が読者の心に達するのを助けます。そのため,天の父に近づくことを切望する人々は,心の琴線に触れる母語の「新世界訳」が手に入る時,とても喜ぶのです。
さらに多くの働き人が収穫に遣わされる
支部の仕事の簡素化を図った結果,米国のベテル家族の中には他の奉仕を行なうように要請された人たちが大勢います。外国の支部に遣わされた人もいますが,数百人が国内で特別開拓者や正規開拓者として奉仕する割り当てを受けました。兄弟たちは,割り当ての変更についてどのように感じたのでしょうか。新たな奉仕に伴う課題にどのように取り組んだのでしょうか。移動先の会衆はどんな益を受けましたか。
トッドとレスリーはこう振り返っています。「それまでずっと祈りの中で,『収穫に働き人を遣わしてくださるよう,収穫の主人に』お願いしていました。自分たちがその祈りの答えとして一役買うことになるとは思っていませんでした。今ではエホバのみ手によって物事が導かれていることが分かりますし,キリストがわたしたちを『奉仕の務めに割り当てて,忠実な者とみなしてくださった』ことを特権と感じています」。―マタ 9:37,38。テモ一 1:12。
フランコは,妻と共に新たに割り当てられた会衆での最初の数か月を思い返し,こう語ります。「妻も私も,アメリカの中にまだこれほど必要の大きい場所があるとは思ってもみませんでした。今の会衆に来たころ,聖書研究を希望する人が幾らでもいるように思えました」。多くの開拓者がどのように感じたかを,カーティスとキャロリンは次のように言い表わしています。「野外で働く場を与えられたことをとてもうれしく思っています。献身した時に,自分を捨てて命をささげるとエホバに約束しましたが,その意味するところを実際に示す機会が与えられたのです」。
「収穫の主人」に依り頼む
長年ベテルで奉仕した後,野外に割り当てられるなら当然のこととして不安に思うものです。ある夫婦はこう感じました。「手ごろな家を見つけられるだろうか。今までは伝道者の自分たちが,これからは野外奉仕に毎月120ないし130時間を費やし,しかも会衆にとって励みとなる存在になれるだろうか」。この夫婦や他の人たちは,新たな状況にどのように対応したのでしょうか。
割り当てられた会衆に家を探しに行き,滞在した最後の日にようやく手ごろな住まいが見つかった人もいます。例えば,ジェシカという独身の姉妹は,家探しに2週間を充てましたが,見つかりませんでした。引っ越しの荷物をまとめるためベテルに戻ることになっていた前日に,地元の長老が安い家賃で小さな家を貸してくれることになり,姉妹は大喜びしました。
ジェフとシンシアという夫婦は,賃貸アパートの業者に,自分たちがエホバの証人であることを話しました。するとこう言われました。「エホバの証人なら知っていますよ。それなら安心です。エホバが保証人になってくださるんですから」。
エリックとメロニーという夫婦もこう述べています。「自分や他の人たちが経験した事柄から,エホバにいつも依り頼む必要性を銘記させられました。毎日エホバが私たちのために物事を動かしておられるのだということがよく分かりました。それによって信仰が本当に強められました」。
会衆の支え
これらの開拓者が新たな割り当てに順応する助けになったのは,移動先の会衆が愛をもって迎えたことです。ある巡回監督は,多くの会衆の人たちが愛情をこめて,「わたしたちの特別開拓者」という言い方をすると述べています。そして,「開拓者たちが遣わされたことを巡回区全体がとても喜んでいます」と続けています。地元のある兄弟は,このような感謝の言葉を書きました。「支部の兄弟たちに心から『ありがとうございます』と申し上げます。これらの開拓者は,私たちすべてにとって本当に祝福となっています」。
カンザス州のある会衆には,何か月も奉仕していない区域の数が100もありました。今では特別開拓者の夫婦の助けによって,ほとんどの区域が定期的に奉仕されています。長老たちは,「この取り決めがこれほどまで大きな益を及ぼすとは想像もしていませんでした」と書いています。
会衆は,これらの開拓者を「強める助け」となっています。その一方で,開拓者たちも地元の伝道者に益を与えています。(コロ 4:11)ある巡回監督はこう伝えています。「開拓者の熱意は,兄弟姉妹に強い励みを与え,意欲を高めました」。別の旅行する監督はこう書いています。「これらの特別開拓者は愛や喜びの点で際立っており,それが他の成員の間にも行き渡るようになりました」。
ある夫婦は,10人の不活発な伝道者が再び活発になるよう助けるという喜びを味わいました。さらに,長老として奉仕する兄弟たちは良い感化を与えています。一人の長老はこう書いています。「会衆に,良い訓練を受けたバランスの取れた兄弟がいてくれて,本当に助けになっています。会衆にも長老団にも必要な存在です」。
「神と共に働く者」
それらの王国宣明者はエホバの祝福によって,多くの喜ばしい経験をしています。例えば,スティーブとゲイという夫婦は,ある寒い冬の日,戸別伝道に行きました。最初の家で,気持ちが沈んでいた年配の男性との聖書研究を取り決めました。2週間もしないうちにその人は王国会館での集会に出席します。開拓者の夫婦はこの男性にあいさつし,1回目の訪問で家に招じ入れて親切を示してくれたことに触れました。すると男性はこう言いました。「わたしが親切だから家に入ってもらったわけではありません。あなたたちが来ると分かっていたからです。3日間,助けを求めて神に祈っていたんです」。この人は現在,集会に定期的に出席し,バプテスマを目標に進歩しています。
ある朝,レイとジルという夫婦は車の中から,道路の反対側を歩いている男性を見かけ,話しかけることにしました。雑誌を提供し,聖書研究を勧めました。男性はその雑誌を受け取り,以前にエホバの証人と研究したことがある,と言いました。実はその土地に引っ越してきたばかりで,聖書研究を再開することに喜んで同意しました。
犠牲を払ってエホバに仕え続ける人は皆,『神は不義な方ではないので,その働きと,み名に示した愛とを忘れたりはされない』ことを知っています。(ヘブ 6:10)人体の各部は,それぞれ必要な機能を果たしています。それと同じように,会衆の各成員はいろいろな形で,会衆の霊的な成長や美しさに貢献しています。「神は体[つまり会衆]に肢体を,その各々を,ご自分の望むままに置かれ」ました。肢体である各成員の努力が組み合わさって,「ほかのすべての肢体が共に歓ぶ」のです。(コリ一 12:18,26)「神と共に働く者」の間の協力関係は,『それをずっと成長させてくださる』エホバの栄光となります。―コリ一 3:6,9。
良いたよりを法的に確立する
イエスは使徒たちにこう言われました。「あなた方は,わたしの名のゆえにすべての人の憎しみの的となるでしょう」。(マタ 10:22)真の弟子たちは,反対を受け,『イエスのために,あらゆる邪悪なことを偽って言われる』ことを予期していました。(マタ 5:11)キリストの現代の弟子たちは,『良いたよりを法的に確立する』ため,どのように活動してきたのでしょうか。―フィリ 1:7。
アルメニア
アルメニアの税関は2007年4月から2008年4月にかけ,聖書や聖書文書7㌧余りを差し止めて法外な関税を要求し,支払わなければ通関させないという姿勢を取りました。結局2008年4月,兄弟たちは不服ながらも関税を支払い,最初に送られてきた文書を受け取りましたが,それ以降のものは差し止められたままです。兄弟たちはこの問題を解決するため,法的な手段を取っています。
カザフスタン
カザフスタンの信仰の仲間に霊的なさわやかさを与えるため,エホバの証人の世界本部から二人の兄弟が訪れましたが,アルマトイでの特別集会の後にその二人は逮捕されました。二人は警察署に勾留されて取り調べを受け,それから行政裁判所で,“布教活動”を行なったとして有罪判決を受けました。後に二人は釈放されましたが,兄弟たちに対する有罪判決を覆すための措置が講じられています。もっと最近のことですが,当局は兄弟たちの家に踏み込んでは,そこで行なわれている祈りと聖書研究のための集いを妨害してきました。裁判所は,正式に登録された三つの会衆に対して宗教活動の停止を命じました。さらに,カスピ海北部の一地域では,警察による神権的な活動の妨害が繰り返されています。
タジキスタン
「タジキスタンのエホバの証人の宗教団体」は1994年に正式に登録され,崇拝のために自由に集まることができるようになりました。ところが2007年10月11日,文化省はエホバの証人が行なう崇拝を禁止する決定を下しました。兄弟たちは当局に対して,エホバの証人が平和を愛し,社会秩序を脅かす存在ではないことを証明するための努力を続けています。
ウズベキスタン
ウズベキスタンにおけるエホバの証人の状況は悪化しています。2008年の初めに,一人のエホバの証人は信仰を実践したため,労働収容所での4年の刑を宣告されました。エホバの証人の中にはさらに,宗教組織に関する法律,および宗教信条を教えることに関する規制に違反したとして,逮捕・勾留され,有罪判決を受け,罰金を科された人たちがいます。集会が妨害され,個人の家が捜索を受け,文書が押収され,伝道者たちが拘束されました。兄弟姉妹の多くは,警察官にののしられ,暴力を振るわれました。
この地域の複数の当局者は,こうした非道な行為を扇動しているのが僧職者であることを明らかにしました。わたしたちは,当局者が自分たちの行動は不適切であるということを早急に悟るよう祈ります。また兄弟姉妹が「敬虔な専心を全うし,まじめさを保ちつつ,平穏で静かな生活をしてゆく」ことを認めるようにとも祈り続けます。―テモ一 2:1,2。
ギリシャ
宗教信念に基づいて兵役を良心的に拒否する個人の権利に関連して,上級裁判所で2件の有利な判決が得られました。コンスタンティノス・コティディスは,ギリシャに移住してエホバの証人になる前,幾年かにわたって旧ソ連軍に所属していました。当局はコティディス兄弟を兵役に召集した際,代替の市民的奉仕活動を行なうことを認めませんでした。軍務に就いたことがあるので良心的兵役拒否者には当たらない,と主張したのです。しかし国家評議会は,過去に兵役を果たした人でも,後に宗教上の良心的立場が変わった場合,それ以後は良心的兵役拒否者として認められ,代替の市民的奉仕活動を行なうことができる,という判決を下しました。
別の裁判で,スティリアノス・イオアニディスは良心的兵役拒否者として投獄され,兵役義務を終了していないという理由で公的機関での採用を拒否されました。しかし国家評議会は,刑期を終えた良心的兵役拒否者は以後,兵役の免除を受けられるという判決を下しました。裁判所はまた,兵役に関連したこの立場は恒久的に有効であり,公的機関で働くことの妨げにはならない,とも述べました。信教の自由に関連して国家評議会が下したこの判決は,ヨーロッパ人権裁判所が下した別の裁判の判決と一致したもので,その裁判は,良心的兵役拒否者として有罪判決を受けた,あるエホバの証人の採用拒否に関連して起こされたものです。国家評議会がそのような判決を下したのはこれが初めてです。
エリトリア
エリトリアの兄弟姉妹は,今なお過酷で不当な扱いを受けています。当局は多数のエホバの証人を収容所に拘禁し,中には劣悪な環境に置かれている証人もいます。2008年7月には,兄弟たちが新たに6人逮捕され,その中には国内で指導の任に当たっていた長老たちも含まれていました。釈放を求めて多くの努力と国際的な働きかけがなされているにもかかわらず,政府はまことの神エホバの崇拝に反対する姿勢を崩していません。
韓国
政府が良心的兵役拒否者の基本的人権を認めてこなかった韓国において,進展が見られています。過去50年余りにわたって,1万3,000人を超える兄弟たちが投獄され,今でも500人ほどが刑務所に入れられています。兄弟たちの決意とクリスチャンらしい行状は,刑務所や政府の関係者に対してりっぱな証言となり,そのことはわたしたちの神エホバに喜びをもたらしています。(ペテ一 2:20)現在まで国連の規約人権委員会に488件の提訴がなされ,2006年にはそのうち2件に関して有利な判定が下されました。政府はすでに,兄弟たちが行なえる代替の市民的奉仕活動のための法律を整備するという意向を表明しています。兄弟たちはそれに沿って物事が運ぶことを期待しています。
ルワンダ
2008年4月,ルワンダのすべての教員はあるセミナーへの出席を義務づけられました。教員の中にはエホバの証人も含まれていました。聖書によって訓練された良心に背くような活動には加わりたくないと考える人にも,欠席は許されませんでした。結果として,出席を拒否した215人の証人が解雇され,二人の姉妹は数週間にわたって投獄されました。セミナーには政治的また軍事的な要素も含まれ,出席者は政治活動や国家主義的な儀式への参加を強要されました。会場を離れようとする人は,兵士たちによって止められました。それ以降,エホバの証人の子ども90人が国歌斉唱や国旗敬礼を拒んだとして放校されました。この新たな迫害の波に面しても忠誠を保てるよう,エホバが兄弟姉妹や子どもたちを強めてくださることを確信しています。
スペイン
スペイン政府は,ベテル家族の成員や旅行する監督など,特別全時間奉仕を行なうエホバの証人に関連した王令を承認しました。公式の通達は特別全時間奉仕者を,「布教活動や信徒の世話,宗教教育,さらには当該宗教の目的を遂げるのに必要な活動に専従する……叙任された聖職者」と規定しています。この通達は,幾つかの国で当局者が,エホバの証人の特別全時間奉仕者は本当に奉仕者<ミニスター>と言えるのか,他の宗教の聖職者に差し伸べられる特典を受けるに値するのか,ということを疑問視している時に出されたものです。
ヨーロッパ人権裁判所
フランスのストラスブールにあるヨーロッパ人権裁判所に対してエホバの証人が行なった合計24件の申し立てが保留となっています。申し立てているのは,アゼルバイジャン,アルメニア,ウクライナ,オーストリア,グルジア,トルコ,フランス,ロシアのエホバの証人です。その申し立ては,ヨーロッパ人権条約の締結国に住む人々の基本的人権にかかわるもので,それには良心的に兵役を拒否する権利などが含まれています。ほかにも次のような事柄に関する申し立てがなされています。それには,宗教に基づく迫害や差別,エホバの証人が活動を組織するために用いる法人の登録抹消または活動禁止,崇拝のために平和裏に集まる権利に対する政府の侵害,証人である親が子どもをエホバの証人として育てる権利の有無などがあります。
オーストリア
2008年7月31日,ヨーロッパ人権裁判所は「エホバの証人 対 オーストリア」事件で有利な判決を下しました。この裁判所は,オーストリアの宗教法が二階級制を踏襲することにより,下級宗教,ひいては下級市民という概念が生み出され,エホバの証人の信教の自由を侵害していると判断しました。オーストリアの兄弟たちは,認可された宗教協会としての立場を得るため30年越しの努力を払ってきましたが,今回そのような判断が下されたのです。判決は次のとおりです。「エホバの証人は国際的に長い歴史があり,国内でも長く活動し,それゆえ関係当局も事情に通じている。そのような宗教グループに対し,[長期にわたって認可を遅らせることは]甚だ妥当性を欠くものである」。この判決を受け,オーストリア政府は現在の法的状況を正すことが義務づけられました。それによって兄弟たちが,オーストリアの他の主要な宗教団体と同じ権利を得ることが期待されています。
アゼルバイジャン
2007年11月,わたしたちの信教の自由を警察が侵害したとして,ヨーロッパ人権裁判所への申し立てが行なわれました。アゼルバイジャンのエホバの証人は法的認可を得ているにもかかわらず,憂慮すべきことに,兄弟たちが逮捕され虐待されるケースが増えています。大勢の武装警察官が,平和裏に開かれていたエホバの証人の集会に突然踏み込み,文書や私物を押収し,出席者を逮捕・勾留し,兄弟姉妹をののしり,暴力を振るいました。警察による妨害が続いているため,人権裁判所は事態の緊急性を認め,審理を早めています。わたしたちは,兄弟たちが警察に妨害されることなく,平和裏に集まり合える日が早く来るよう望んでいます。
フランス
政府によるフランスのエホバの証人協会に対する不当かつ違法な課税について,2005年2月,ヨーロッパ人権裁判所への申し立てが行なわれました。この裁判所がその件を審理することに同意するかどうか,わたしたちは今も判断を待っています。その一方で,反対者たちはわたしたちの信条を意図的に誤り伝え,そのため昨年だけでも王国会館が壊される事件が約70件起きました。それでもフランスの兄弟たちは,政府の行動が差別に当たるとの判断を人権裁判所が早急に下し,この国のエホバの証人が救済されるという希望を持ち続けています。
ロシア
ロシアのエホバの証人は2001年12月,エホバの証人の宗教団体に対する相次ぐ刑事訴追や民事訴追について,ヨーロッパ人権裁判所に申し立てを行ないました。2004年6月,モスクワ市裁判所は,先に下級審が下した判決を支持しました。それは,モスクワにおけるエホバの証人の活動を禁止し,その法人を解散させるというものです。モスクワの兄弟たちは今もおおむね,崇拝のために集まり合い,王国の良いたよりを宣べ伝える業に参加できます。しかし,モスクワおよびロシアの各地で,当局による集会や大会の妨害,さらには兄弟姉妹がひどい扱いを受ける事件が頻発しています。例えば7月には,モスクワの南60㌔ほどの所にあるチェーホフという町で,王国会館が放火され,焼失しました。すぐ消防署に通報がなされたにもかかわらず,目撃者によれば消防士は消火活動をほとんど行ないませんでした。警察による捜査も全く行なわれていません。困難や反対にもかかわらず,ロシアの兄弟姉妹は忠実を保ち,支えてくださるエホバに頼っています。
エホバは,ご自分の僕たちに敵して形造られる武器はどれも功を奏さないと約束しておられます。(イザ 54:17)極めて不利な状況も,「良いたよりの前進」という結果につながることがあります。ですから神の僕たちは,『一つの霊のうちにしっかりと立ち,一つの魂をもって良いたよりの信仰のために相並んで奮闘し,いかなる点でも,敵対者たちのゆえに恐れ驚いたりはしない』ことを決意しています。(フィリ 1:12,16,18,27,28)わたしたちの『とりで,また逃れさせてくださる方』であるエホバに依り頼んでいる全地の兄弟姉妹のために,これからも「祈りつづけ」てください。―詩 18:2。テサ二 3:1。
支部の献堂
2007年11月10日,土曜日は,南アフリカ支部にとって大きな喜びの日でした。拡張された印刷施設,食堂,宿舎の献堂式に4,000人ほどの兄弟姉妹が集まったのです。
拡張された印刷施設を訪れた人は,マン・ローランド製リソマン印刷機が何万冊分もの聖書や文書を印刷しているのを見て,胸を躍らせました。新しい製本ラインは,アフリカの16の言語で100万冊を超える「新世界訳」をすでに生産しています。訪問者は,拡張された発送施設を見学しました。支部はそこに,アフリカ南部の10か国にある8,000近くの会衆で用いる聖書文書を保管しています。
ナイジェリアのベテルがあるイギードゥマの南西約360㌔に位置するラゴスで,2008年6月7日,支部施設の増築部分が献堂されました。ラゴスの事務所は,24室の宿舎,倉庫,事務棟から成っています。支部に関連した多くの事柄が,国の経済上の中心地であるラゴスで扱われています。この新しい施設には,港で貨物を受け取ったり支部の備品を購入したりするベテル奉仕者や,空港を利用する人のための宿舎があります。またラゴスの事務所では,イギードゥマの支部の拡張工事が終わるまで,一時的に宣教訓練学校が開かれています。確かにエホバは,アフリカを含む全地で宣べ伝える業を祝福しておられます。
神のご意志を行なうために整えられる
大いに感謝すべきことに,エホバは『あらゆる良いものを備えてそのご意志を行なわせ,み前にあって大いに喜びとなる事柄を,イエス・キリストを通してわたしたちの中で行なってくださって』います。(ヘブ 13:21)エホバは,「わたしたちが求めまた思うところのすべてをはるかに超えてなしうる方」であることを示してこられました。ですから,わたしたちは心からこう述べます。「その方に,栄光が,会衆により,またキリスト・イエスによって,すべての世代にわたり,限りなく永久にありますように」。―エフェ 3:20,21。
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宗教の登録 ― なぜ,どのように?
宗教の登録については国によって状況が異なります。例えばアルメニアやアゼルバイジャンには,宗教団体が法的な登録や認可の申請を行なうための法律があります。申請が受け入れられるなら,その宗教団体は正式な宗教として国から認可されます。さらに,登録に二つの区分が設けられている国もあります。一つ目は主流宗教のためのものです。この区分に分類されるなら,税の免除をはじめとする多くの特典が得られます。二つ目は普通,小規模で新しい,非伝統的な宗教グループのためのものです。
他の国,例えばグルジアやアメリカ合衆国には,宗教の登録を規定する法律はありません。そのような場合,憲法がすべての団体に信教の自由を保障しています。個々の宗教団体に対する正式な認可はないものの,その団体は法人としての登録を申請することができます。申請が認められるなら,その団体は法人を用いて活動することができ,それには印刷出版や土地の所有などが含まれます。
[21ページの地図]
(正式に組んだものについては出版物を参照)
オーストリア
フランス
スペイン
ギリシャ
エリトリア
ルワンダ
アルメニア
アゼルバイジャン
ロシア
カザフスタン
ウズベキスタン
タジキスタン
韓国
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ルオ語で集会を開くシアヤ会衆
[13ページの図版]
「新世界訳」は全巻または一部が70余りの言語で入手可能
[22ページの図版]
コンスタンティノス・コティディス
[22ページの図版]
スティリアノス・イオアニディス
[29ページの図版]
ナイジェリア,ラゴスの新しい宿舎
[29ページの図版]
南アフリカ支部の印刷施設